一宮市で昨年十月、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」を操作しながら運転していた男にはねられ死亡した同市の小学四年則竹敬太君=当時(9つ)=の父崇智さん(47)による講演が十三日、大府市月見町の大府高校であった。全校生徒約九百四十人を前に、交通事故による家族の癒えない悲しみとともに、「ながら運転」の危険性を訴えた。
 講演で崇智さんが掲げたのは、事故当時に敬太君が身に付けていた水筒。搬送先の病院で、兄の長男が、衝撃で大きくへこんだ部分を元通りに直してあげようと、涙ながらに必死に押さえていたという。敬太君の最期は、家族全員でみとった。「敬太は何でも一番乗りが好きだから、天国まで一番に行っちゃったね」。長男がつぶやいた一言を、絞り出すように語った。
 運転しながらのスマホ操作は「殺人行為」と力を込めた崇智さん。自転車に乗りながらのスマホ操作も禁止されていることを紹介し、「スマホを便利な道具にするのも、凶器にするのもこの手。この手を将来の夢をつかむために使ってほしい」と呼び掛けた。
 講演を聴いた二年生水谷有里さん(17)は「一瞬の(不注意の)ために他人の一生が失われることはあってはならない。細心の注意を払って事故を防ぎたい」と話した。
 崇智さんは県立一宮東特別支援学校の教員。今年五月から県内各地の高校で、運転免許を将来、取得する子どもたちへの交通安全を呼び掛ける講演活動をしている。

 (宮崎正嗣)