◆静岡文化芸術大と本社が「新聞カフェ」
 選挙年齢が十八歳以上に引き下げられてから初の衆院選。突然の解散、野党再編でドタバタが続き、急ごしらえの公約が並ぶが、若者はどう見ているのか。静岡文化芸術大(浜松市中区)と中日新聞東海本社のコラボ企画で、新聞を読みながら社会問題を語り合う「新聞カフェ」が十二日に同大であり、選挙をテーマに文化政策学部の十八〜二十一歳の七人と記者が意見を交わした。
 まずは投票に行くかどうかを質問すると「行く」と答えたのは一年生の三人。国政選挙は初めてで「ニュースは毎日見ている」と話す松下英里香さん(18)は「自分の住む静岡3区は入れたい人がいない。白票で出すかも」と話す。静岡7区が地元の中野七海(ななみ)さん(19)は湖西市長選、県知事選に次ぐ三度目の選挙。「自分の意思が反映されたのが今の政治と思うと、投票は楽しい」。静岡2区に住む樫本知優(ちゆ)さん(18)は「行くけど、政策を聞いてもよく分からない」と、まだ投票先が絞り切れていないようだ。
 愛知県に実家がある一年の山下舞子さん(19)ら四人は、地元で成人式に参加するため住民票を移しておらず「わざわざ帰省するのも面倒だから行かない」。三年の清(せい)菜々子さん(20)は静岡4区に住民票があり、不在者投票も検討したが「手間がかかるし、投票用紙の郵送費が自己負担と知ってやめた」。無料化や電子化を望む声が続々と出た。
 次に各党の公約をまとめた資料を配ると、独自の政策に鋭いツッコミが。愛知県に住民票がある三年の村松咲歩さん(21)は、スギなどの伐採により「花粉症ゼロ」を掲げる希望の党に「何言ってるの。私はヒノキ、雑草、イネもアレルギー。植物を絶滅させるつもりなのかな」と実現可能性に疑問の声を上げた。
 公明党が月曜の午前休を提唱する「シャイニングマンデー(仮称)」には皆が苦笑い。中野さんは、月末の金曜に退社時間を早める「プレミアムフライデー」について「社会人の先輩から『仕事が次の日に持ち越されるだけ』と聞いた。制度を作るばかりが良いわけじゃない」。
 「日本維新の会のスマホ投票はいいよね」と三重県に住民票のある三年の田島麗称(れいな)さん(20)。そこで新聞カフェのアドバイザー役である文化政策学部の加藤裕治教授が、すかさず「個人認証が難しいからスマホ投票は不正の温床になる可能性がある」と指摘した。「手軽でいいじゃんと思っても、安直に考えるとよくないなあ」と一同。
 中野さんは「政党の政策は、本当のことを書かない就活生のエントリーシートみたい」。田島さんは「良いことしか書いてないのは当たり前だから、その裏を考えないとね」と話した。
 変わった政策に厳しい意見を出す一方で、今回の選挙で注目するポイントは社会的な問題が多い。中野さんは「静岡にも原発があるから原発と復興関係」、松下さんは「私立高校無償化は疑問。私立に人が流れちゃうのでは」と懸念する。樫本さんは「待機児童ゼロより、私たちにお金をかけてほしいな」。田島さんは「奨学金をもらっているから社会保障が気になる」と話す。
(相沢紀衣)