◆自民からも「説明続けて」
 「森友学園」への国有地払い下げと「加計(かけ)学園」の獣医学部新設。二つの学校法人を巡るいわゆる森友・加計問題は、論戦の舞台になると思われた臨時国会の冒頭で、関与を疑われる安倍首相が衆院を解散した。政府の説明責任は果たされたのか。中日新聞社が静岡県内の八小選挙区の候補者二十六人に行ったアンケートによると、自民八人が「(説明責任は)おおよそ果たされた」、他の十八人全員が「不十分」と分かれた。「十分だ」と回答した候補者は一人もいなかった。
 自民以外の候補者からは一様に厳しい意見が出た。内閣改造後、国会で審議がないままの解散は戦後初めてで、「疑惑解明を避け続け、責任放棄」と批判。安倍首相の姿勢を「不誠実」「政権のおごり」「質問にまっすぐ回答していない」などと切り捨てた。
 一連の疑惑で、政府側は「記憶にない」「記録がない」と答弁した。情報公開を公約に掲げる希望の候補者は「税の使い道を情報公開しないのは、国民の知る権利をないがしろにしている」と指摘した。
 「審議時間は満たされている」「何度も答弁している」。自民の候補者は、衆参両院の予算委員会や閉会中審査で野党の追及に応じてきたことを強調した。一方で、これらの疑惑が国民の不信を招き、世論調査で内閣支持率の下落につながったことから「批判には真摯(しんし)に向き合う」「国民が納得いくまで応じていくべきだ」などと、さらなる説明を求める声も上がった。
 森友問題を受けて、国会中継をテレビで見ていたという静岡文化芸術大一年の松下英里香さん(18)は「安倍首相が答えるだけで、関係しているはずの(妻の)昭恵さんが出てこなかったので正しいかどうか分からなかった。長く話してごまかしている感じもした。野党は追及していたけれど、圧倒的に数の多い自民党に押し切られたというイメージ」と話した。
 浜松市北区の着付け教室経営神谷とし子さん(71)は「説明責任を果たせという声があって(安倍首相は)難しい立場にいるが、外交面では安倍さんに期待するしかない」とこれまでの実績を重視した。
(衆院選取材班)