県保険医協会は、県内の小中学校と特別支援学校の歯科検診で虫歯などが見つかった児童・生徒のうち、三〜五割がその後、治療を受けていないという調査結果を発表した。歯の大半が虫歯で食事も困難な「口腔(こうくう)崩壊状態」の子どももいるといい、同協会は「子どもの健康格差が広がっている」と危機感を訴えている。
 調査は七〜八月、県内の五百八十一校を対象に行い、三百十三校から回答を得た。昨年度の学校歯科検診で「要受診」と診断された児童・生徒のうち、その後に未受診の者が、小学校では約35%、中学校は約56%、特別支援学校は約43%を占めた。二十本近く虫歯があったり、給食のイカや肉をかみ切れなかったりする子どもの事例も、寄せられた。
 県内の全市町村では、義務教育期間中は窓口負担なしで歯科治療を受けられる。未受診の理由では、経済的な問題よりも、「永久歯に生え替われば大丈夫」などと誤解する保護者の理解不足や、子どもへの関心が低いケースが目立った。
 さらに「一人親や共働きの家庭では、歯科医院に連れて行く時間がない」「塾や部活動で忙しい」などの理由も挙げられた。障害がある子どもの場合は、専門技術のある歯科医師が不足しているという課題も報告された。
 同協会の稲葉幸二理事は「全国的に子どもの虫歯が減っている中、極端に多い子が一学年に二、三人はいる。どのような対策ができるか考えていきたい」と話した。

 (井上仁)