南伊勢町で栽培したブドウで仕込んだ「南伊勢町ワイン」の試作品が完成し、二十四日、同町五ケ所浦であったイベントでお披露目された。地元産ワインで町の活性化を図ろうと、五年前にブドウの試験栽培を始めた南伊勢ワイナリーの会の吉川功会長(61)は「ようやく形になった」と完成を喜んだ。
 吉川さんは十年前、同町に別荘を買い、地域に関わるようになった。人口減少が激しい町の雇用創出や観光客増加の力になろうと、地元産の魚介とワインを合わせたプロジェクトを考えた。もともと食品輸入会社でワインを扱っていたこともあり、町と協力して取り組みを始めた。
 メルローやシャルドネなどヨーロッパのブドウ四種類を扱い、一昨年から甲州ブドウも育てている。木が成長し収穫量が増え、今年は五百キロ以上収穫できた。
 福井県大野市の白山ワイナリーへ醸造委託し、赤一種類、白二種類を製造した。五ケ所浦浅間山をモチーフにしたラベルも製作。このうち、甲州の白はさわやかな甘みとフルーティーな香りが特徴。同町の気候で育てやすく、主力商品にしようと考えている。二十四日は約五十人が試飲し「飲みやすい」「おいしい」と好評だった。
 同会は来年中に酒類を販売するための免許を取得し、近隣のホテルへの販売を検討している。吉川さんは「いずれは醸造も行う会社をつくり、地域の就労に役立てたい」と目標を語った。
 (青木ひかり)