四日市市南いかるが町の萬古(ばんこ)焼の窯元「酔月陶苑(とうえん)」で作陶する清水潤さん(45)=南いかるが町=と弟潮(うしお)さん(42)=西坂部町=が、兄弟そろって伝統工芸士の認定試験に合格した。すでに父酔月(本名・洋)さん(74)も工芸士の認定を受けており、潤さんは「親子での認定はなかなかない。父を継ぐ次世代の自分たちを認めてもらえてうれしい」と話す。
 工芸士の試験は法律に基づき伝統的工芸品産業振興協会が行い、実務経験十二年以上という条件と、実技、筆記の両試験で審査する。二人は昨年九月に受験し、実技試験では決められた大きさ、形の急須づくりを指示され、ろくろ回しや削りの工程を実演。基準内の厚さに仕上がったか、審査員がその場で断面を確認した。二人は「緊張したが、普段通りの仕事を見てもらえたのでは」と振り返る。筆記試験は萬古焼に限らず、日本の伝統工芸全般の知識を問われた。二月二十五日付で認定された。
 二人は大学卒業後から本格的に作陶の道に進み、酔月さんの下で腕を磨いた。萬古焼は一九七九年に伝統的工芸品に指定され、現在二人を含め十七人が工芸士として活動している。酔月さんは息子二人の認定について「伝統工芸に携わる人が減ってきた中でありがたい。将来萬古焼を背負える人になれるよう、努力を続けてほしい」と期待を寄せる。
 萬古焼は今年、始祖沼波弄山(ぬなみろうざん)の生誕三百年という節目の年。二人は「個人としても業界としてもうれしいタイミングでの認定」と喜ぶ。今後について潮さんは「見た目の美しさと使いやすさの両方を追求して、時代に合うものを作っていきたい」と話す。
 (芝野享平)