あす「トトベエ」も
 のとじま水族館(七尾市)のジンベエザメ二匹のうち雌の「イオリ」が二十一日早朝、水族館の水槽から搬出され、能登沖へ放流された。展示開始から四年。体が大きくなり水槽(最深六・五メートル)での展示が負担となるため、海に返されることになった。職員らは名残惜しさをにじませつつ、新たにやってきた仲間に期待を込める。(稲垣達成)
 イオリは二〇一五年十月に七尾市庵町沖で捕獲された。当初四メートルだった体長は、六メートル近くにまで成長。餌を食べる際に尾びれが水槽に触れてしまうなど、生活上に負担が生じるとして野生に戻すことになった。
 職員ら約四十人が午前五時半ごろから作業を開始。ダイバーが、水槽に入れられた、サメを収容する容器(長さ六・五メートル、幅二・五メートル、高さ一・三メートル)にイオリを誘導。容器をクレーンでつり上げ、トラックで運び出し、同日午後に能登沖約三十キロに放流した。回遊ルートの調査のため、背びれには位置情報を得られる機器を備え付けた。
 イオリの搬出後、今月八日に富山県氷見市沖の定置網にかかり、水族館に隣接する海上のいけすで飼育されていた雄のジンベエザメ(体長約四・三メートル)が搬入された。愛称は今後、来館者による投票形式で決める予定。
 もう一方の雄のジンベエザメ「トトベエ」も体が大きく成育したため二十三日に海に戻され、新たに珠洲市沖の定置網でかかった雄のジンベエザメが搬入される。浅田隆館長は「放流する二匹には感謝の気持ちしかない。元気に海で泳いでほしい」と感慨深げ。新たに来るジンベエザメについて「能登沖の自然の豊かさやその風景を水槽で再現できたら」と期待を寄せた。
 水族館は十九日から、搬出される二匹にメッセージを送るコーナーをジンベエザメ館に設けている。「お疲れさま」「ありがとう」といった温かい言葉が多く並んでいる。