地元「生産復活の力に」
 十四、十五の両日の大嘗祭(だいじょうさい)で、天皇陛下の頭上に掲げて使われる「御菅蓋(おかんがい)」と呼ばれる菅笠(すげがさ)に、富山県高岡市福岡町で栽培されたカサスゲが初めて使われた。生産した一人、越中福岡の菅笠製作技術保存会長の城山孝さん(84)が十三日、御菅蓋を作った深江笠縫(かさぬい)保存会(大阪市)に納めた時に同じく収穫したスゲ草二束を射水神社(高岡市古城)に奉納した。
 御菅蓋は直径一・二メートル。上部に鳳凰(ほうおう)の飾りが取り付けて使われる。城山さんらスゲ草を生産する個人と生産組合が昨年夏に納入したスゲ草から、深江笠縫保存会が作った菅笠三枚のうち、二枚を宮内庁に献上していた。その際は城山さんらも立ち会った。
 城山さんは「福岡町のスゲで作られた御菅蓋が天皇陛下に利用していただけることは大変光栄なこと。今回を励みに生産や栽培を昔のように復活させる力にしたい」と話した。
 射水神社に奉納されたのは長さ約一・二メートルの束で、神社が箱に入れて保管する。神職は「記録として長く保管し、越中のスゲが使われていることを伝えていきたい」と話した。神社は十四日午後六時から大嘗祭当日祭を斎行する。
 湿地帯の多い高岡市福岡町は良質なスゲ草が収穫でき、菅笠製作技術は、国の重要無形民俗文化財。幕末の最盛期には年間二百十万枚の菅笠を出荷した。近年は需要が減り、年間四万枚を下回るものの全国シェアは90%を占める。