◇記者コラム「Free Talking」
闘志満々のプレーでファンを魅了するDeNAのタイラー・オースティン内野手(33)の活躍には裏付けがある。試合前練習では通算278本塁打を放ったレジェンド・田代富雄野手コーチに助言を求める。調子がいまひとつだと構え方など3〜4カ所について、「見ていてください」と頼み、指導を受ける。
DeNAは動画などを見ながら修正することが多いが、求めるのは定点観測。私が野球取材を始めた四半世紀前に一般的だった手法だ。「(データとコーチの指導は)両方、重要だよ」というオースティンは「正直言うと、プロ野球選手としてプレーしたコーチに聞く方が好き。大切にしています」。フォームの修正は多くの強打者を育てた名伯楽の眼力に頼る。田代コーチは「打ち方がいい。安定しているし、自分でチェックポイントも知っている」と語る。
一塁守備への意欲は転向2年目の今年も変わらない。田中浩康内野守備コーチは「誰よりも早く早出の守備練習に出てくるのを自分のリズムとしている」とみる。「意欲的な姿を見せ信頼を得たいという姿。準備をしているからどんなボールでも(一塁に)投げて来いよ、という姿勢です」。昔は多かった打つだけの外国人野手とは違う。
最多の25試合で4番を打つのはデータに基づいている。靍岡賢二郎オフェンスチーフコーチは「xwOBA(エクソバ=期待加重出塁率)」という打者の成績を予測する指標が高いと説明する。「打球速度と角度がよくてパワー指標が高い。どんな当たりでもちゃんと捉えている。高水準です」。データを戦略に生かす打線の中核を担う。
故障がちなオースティンは秋までけがなくプレーし続ける決意を何度も口にする。「野球が大好き。あと何年できるかわからないが、1試合でも多くプレーしたい」という。秋は優勝争いが白熱する季節。「優勝するためか」と問うと、「もちろんです」とニヤリ。成績だけではなく、存在意義の高い33歳のチームへの貢献に期待したい。(DeNA担当・後藤慎一)


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