陸上の全日本実業団選手権第2日が25日、大阪・ヤンマースタジアム長居などであり、男子100メートルでは、東京五輪代表の小池祐貴(26)=住友電工=が10秒19(向かい風0・5メートル)で優勝した。同じく東京五輪代表の山県亮太(29)=セイコー=と多田修平(25)=住友電工=は予選突破後に決勝を棄権した。

 五輪での失敗を糧に意識改革した小池が、貫禄の優勝を飾った。一度目のスタートでは「セットしたときに右ふくらはぎがけいれんした。やばいと思って手が動いた」とアクシデントでフライングを取られた。やり直しのスタートでは大きく出遅れたが、そこからが真骨頂。大きなストライドで加速し、ゴール手前できっちり先頭に立った。

 五輪では100メートルで予選敗退に終わった。大会後、自らを縛っていた固定観念を取り払った。「今までは『こうすれば速く走れるはず』と理想を追っていた。それは全部やめて、一番気持ち良く走れるのはどんな姿勢、テンポなのか。感覚を大事にしようと思った」。胸を張って、腕を大きく振り、前へ弾む。理屈より心に任せた走法が、今はしっくりきている。

 26日の200メートルに出場した後は、来季へ向けた土台づくりに入る。「上半身の筋量が500グラム〜1キロ増えればもっと良くなると感じる。来年の世界選手権ではファイナル(決勝)を目指したい」。五輪から1カ月余り。向上心が早くも高まっている。