毎年2回発表され、出版界の大きな話題となる芥川賞。先日、第162回芥川賞の選考委員会が開催され、古川真人による「背高泡立草」が受賞した。

芥川賞受賞作品には、映像化された作品は多くあり、2020年2月14日公開の『影裏』もそのひとつ。第157回芥川賞受賞作である沼田真佑の同名小説が原作で、大友啓史監督がが惚れ込み、自ら映画化へと動いた。今回、本作同様、芥川賞受賞作を原作に持つ作品をまとめて紹介する。

『蛇にピアス』(2008年公開)/第130回芥川龍之介賞作

蛇にピアス

自らの舌にピアスを開け、背中に入れ墨を彫り、肉体改造におぼれていくヒロインの愛と絶望の日々描く衝撃ドラマ。弱冠20歳で芥川賞を受賞した金原ひとみの同名原作を世界的演出家の蜷川幸雄が監督として完全映画化。

吉高由里子の初主演作で、痛みによって “生”を感じる若者を熱演。彼女を愛する男たちを高良健吾、ARATAが好演するほか、小栗旬、唐沢寿明、藤原竜也ら蜷川組が顔をそろえる。大胆な濡れ場や壮絶なバイオレンス描写が物議を醸す問題作。吉高は、同作でデビュー以来初のヌードを披露し、第32回日本アカデミー賞新人俳優賞、ブルーリボン賞新人賞などを受賞し、ブレイクを果たす。

『火花』(2017年公開)/第153回芥川龍之介賞作

火花

お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹による第153回芥川賞受賞作で、ドラマ化もされた同名小説を、板尾創路のメガホン、菅田将暉と桐谷健太の主演により映画化。

「スパークス」としてデビューするも、まったく芽が出ない芸人・徳永(菅田)は営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷(桐谷)と出会う。「あほんだら」というコンビで常識のワクからはみ出た漫才を披露した神谷の姿に魅了された徳永は、神谷に弟子入りを志願。「俺の伝記を作ってほしい」という条件で神谷はそれを受け入れる。人間味にあふれ、天才的な奇想の持ち主でもある神谷に惹かれる徳永。神谷もそんな徳永に心を開き、2人は毎日のように飲みに出かけては芸の議論を交わし、仕事はほぼないものの充実した日々を送るようになる。しかし、そんな2人の間にいつからかわずかな意識の違いが生まれるようになり……。

原作者・又吉の初純文学作品で本作が掲載された「文學界」は驚異的な売り上げを記録し、単行本の部数は253万分を突破するなど注目を浴びた作品。

『影裏』(2020年2月14日(金)公開)/第153回芥川龍之介賞作

本作で綾野剛が演じるのは転勤をきっかけにすべてを捨てるように岩手・盛岡に移り住んだ今野。松田龍平が演じる同い年の同僚・日浅に出会い、慣れない地でただ一人、日浅に心を許していく。そして、2人で酒を酌み交わし、2人で釣りをし、たわいもないことで笑うというまるで遅れてやってきたかのような青春の日々を過ごすことで絆を深めていくのだが――。

本作は、沼田真佑による短編小説で、第157回芥川賞受賞作で、第123回文學界新人賞受賞作品として『文學界』2017年5月号に掲載され、2017年7月30日に文藝春秋より単行本が刊行。本作が沼田真佑のデビュー作であるが、人間の心の内面や現代社会が抱えるテーマを巧みに取り入れた“純文学の傑作”との呼び声が高くなっている。

ストーリー

今野は、転勤で移り住んだ岩手で日浅に出会う。慣れない地でただ一人心を許せる存在の日浅だったが、ある日、突然姿を消してしまう。日浅を探し始めた今野は、彼の父に捜索願を出すことを頼むが、何故か断られてしまう。そして見えてきたのは、これまで自分が見てきた彼とは全く違う別の顔。ともに時を過ごしたあの男の“本当”とは?

作品情報

出演:綾野剛 筒井真理子 中村倫也 平埜生成 / 國村隼 / 永島暎子 安田顕 松田龍平監督:大友啓史  脚本:澤井香織  音楽:大友良英公式サイトHP: https://eiri-movie.com/公式Twitter:https://twitter.com/eiri_movie公式facebook:https://www.facebook.com/eiri.movie/Ⓒ2020「影裏」製作委員会

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