(C)2020「私がモテてどうすんだ」製作委員会 (C)ぢゅん子/講談社

2020年7月10日より公開される『私がモテてどうすんだ』は、TVアニメ化もされたぢゅん子の同名人気コミックを実写映画化したものです。

主人公は、アニメとBLと妄想大好きヲタク少女の花依(富田望生)ちゃん。

(C)2020「私がモテてどうすんだ」製作委員会 (C)ぢゅん子/講談社

あるとき、大好きなアニメキャラが死んだショックで1週間寝込んだら、何と激ヤセして超絶美人(山口乃々華)と化してしまった!?

同時に、学校のスーパー・イケメンたち(吉野北人、神尾楓珠、伊藤あさひ、奥野壮)が一気に彼女のことを好きになってしまい、何ともすさまじい争奪戦が開始!?

しかし花依ちゃんは自分がモテることよりも、イケメン同士のカップリングを妄想しているほうが好きだったりもして……!?

ここでは一見少女漫画原作ならではの、イケメンにもてまくって困ってしまう女子の願望を叶えつつ、BLヲタク少女のこだわりをポジティヴに打ち出すことで、従来のものとは一味違ったユニークなテイストの作品に仕上がっています。

基本はラブコメで途中いきなりミュージカルになったり、またBLファン垂涎のあんなことやこんなこともあったりして……といったお楽しみもさながら、やはり二人一役によるヒロインを富田望生(“みう”と呼びます)と山口乃々華が好演していることで、特に激ヤセ前&リバウンド・モードを担う富田望生は見ていてどんどん(正直言って彼女のほうが)可愛く映えていくあたりが妙味。

最近の映画やドラマのコメディリリーフとして欠かせない若き存在となって久しく、またヴァラエティ番組でも明るく気持ちの良い子性を発散させてくれている彼女、もともと演技力にも定評があるので、どんな役でも安心して見ていられます。

というわけで、今回はそんな富田望生ちゃんの本格映画初出演作で出世作の1本でもある『ソロモンの偽証』(15)をご紹介!

ソロモンの偽証 前篇・事件

(C)2015「ソロモンの偽証」製作委員会 

生徒たちが事件解決のため学園内裁判を開廷!

成島出監督がメガホンをとった映画『ソロモンの偽証』は、宮部みゆきの同名学園ミステリ小説の映画化です。

1990年12月25日、雪積もるホワイト・クリスマスの朝、城東第三中学校2年A組のクラス委員・藤野涼子と野田(前田航基)は、校庭でクラスメイト柏木卓也(望月歩)の死体を発見しました。

警察も学校緒飛び降り自殺と判断しますが、後日、彼の死は大出俊次(清水尋也)をリーダーとするいじめグループによる殺人だった、と訴える匿名の告発状が届けられます。

事態はマスコミにも知られて世間が大騒ぎしていく中、涼子は大人たちに任せてはおけないと一念発起し、自ら真実を暴くべく立ち上がり、大出を被告人とする学校内裁判を開廷させようと奔走し……。

原作が三部構成の長尺ということもあって、映画化に際しては『前篇・事件』と『後篇・裁判』の二部構成が採られています。

スクールカーストと犯罪を関連づけた問題提起と、中学生たち自身の手で事件を解決すべく裁判を行うといったジュヴナイル感覚が繊細かつ見事に同居した青春ミステリ集団劇として高く評価され(さらには大人やマスコミなどのエゴや醜さなども露呈させています)、第40回報知映画賞や日刊スポーツ映画大賞の作品賞を受賞。

また主人公の藤野涼子(本作がデビューで、役名をそのまま芸名にしています)は同年度の新人映画賞を総なめしていますが、彼女を筆頭に本作は生徒を演じる若い新進俳優たち(1クラス分の生徒を選ぶため、1万人のオーディションが行われました)の魅力が存分に引き出されており、それもまた本作が高く評価されている所以ともなっています。

その中で富田望生が演じているのは浅井松子。

実は彼女と三宅樹里(石井杏奈)が告発状に何らかの関係があるようなのですが……ここから先はミステリものゆえにネタバレ厳禁、じかに作品を見てお確かめください。

今後の活躍も大いに期待したい若手俳優の筆頭株のひとり

正直なところ『ソロモンの偽証』はかなりシリアスな作品ゆえ、富田望生も例外ではなく他のキャスト同様にシビアな存在感を際立たせてくれていますが、映画を見終えて印象に残るキャスト陣の中に確実に含まれる存在感を発揮していました。

そして本作をステップに『モヒカン故郷に帰る』(16)『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(17)『あさひなぐ』(17)『男はつらいよ お帰り寅さん』(19)などの映画や「3年A組―今から皆さんは、人質です」(19)「なつぞら」(19)などのTVドラマ、特に青春学園ものには欠かせない貴重な存在となっていくのでした。

演じるキャラクターも単にぽっちゃりタイプの友達みたいな域を越えたユニークな役が徐々に増えていき、そういえば「3年A組」も「なつぞら」も半ば力づくで(!?)イケメン・ゲット! してましたが、それって今回の『私がモテてどうすんだ』に先駆けたものだったのかもしれないですね。

これからも順調に延びていってほしい、期待の若手俳優筆頭株のひとりであります。

(文:増當竜也)