お下劣・お下劣な映画は好きですか?自分は大好きです。

近年では、かわいいクマのぬいぐるみが下ネタを吐きまくる『テッド』シリーズが人気を博しましたが、世の中にはそれをはるかに超えて下ネタ満載な映画があることをご存知でしょうか?

ここでは、お下品さが限界突破した5つの映画をご紹介します。

※以下の文章で最低、くだらない、あたまがおかしい、しょーもないなどの言葉を使っていますが、すべて褒め言葉です。ご了承ください。

1:『ダーティ・グランパ』エロエロなおじいちゃんと旅に出よう!

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『タクシードライバー』や『マイ・インターン』のロバート・デ・ニーロと、『ハイスクール・ミュージカル』や『ヘアスプレー』のザック・エフロンという、豪華共演による作品です。

物語は、妻を失ったばかりのおじいちゃんが、一週間後に結婚を控えた孫を強引に連れ出して旅をするというシンプルなもの。ただし、このおじいちゃんの言動と行動が下品極まりない、性欲全開なこともあって、その旅路は最低最悪なのです。

おじいちゃんのヒドい言動の一部を挙げると、お酒をクルマにこぼしてしまっても「これは巨大タンポンだから大丈夫!」といっさい悪びれないとか、「宇宙飛行士をやめてプロゴルファーになったんだ!」と盛大に経歴詐称するとか、全編そんな感じ。特に『ターミネーター』をイジったとあるセリフが最低すぎだよ!

しかしながら、これから結婚を迎える人に向けて、尊い(でもちょっと不謹慎な)メッセージがあったりもします。「正面から痛みを受け取れれば、大抵のことは乗り越えられる」というセリフにハッとなるオトナは多いでしょうし、オチを観ればいろんな意味で前向きになる勇気をもらえることでしょう。同性愛を始めとした、多様な愛の形を応援する精神性も大好きでした。

でもそんな尊いメッセージやら教訓は、「あのデ・ニーロがこんな下品なおじいさんを演じている!」という衝撃のおかげであまり目立っていません(いい意味で)。劇中にはデ・ニーロがラップを披露するシーンも!デ・ニーロファンは必見ですよ。

『ダーティ・グランパ』は2017年6月7日よりレンタル&セルが開始されています。

2:『バッド・バイオロジー 狂った♂♀ヤツラども』×××が自我を持って襲ってくる!

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トマトが襲ってくる『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』、尻が街を破壊する『尻怪獣アスラ』、コンドームが凶暴化する『キラー・コンドーム』、世の中にはくだらないモンスター映画が数多くありますが、本作ではなんと×××が襲ってきます。素晴らしいですね(頭の悪さが)。

あらすじは「7つのクリトリス持つ女と、×××が自我を持ってしまった男が出会い、最終決戦が勃発する!」というもの。この2人が出会うまでの過程は意外と丁寧に作られており、『貞子VS伽椰子』と似た「いつ2人が出会うんだ?」というワクワク感があります。だって、女の方はSEX後にすぐに子どもを生むバケモノ!男の方は×××がだんだんと持ち主の意思を離れて暴れだすんですよ!ほら、観たくなるでしょう(なるか?)

そして怒涛の最終決戦は本当に偏差値がマイナスにまでイッてしまったかのようなくだらなさ。オチに至ってはもはや観客をバカにしています(いい意味で)。“映画を観ながらどんどん頭が悪くなっていくことが実感できる”という稀有な体験ができることでしょう。

3:『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』射精のメカニズムを学ぼう!

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『ミッド・ナイト・イン・パリ』や『カフェ・ソサエティ』のウディ・アレンが手がけた全7編からなるオムニバス作品です。その長ったらしいタイトルどおり、そのエピソードはすべてSEXがテーマです。

筆者のお気に入りは、何と言っても7話目の「射精のメカニズム」。そのタイトル通り、SEXの時の射精に至るまでの体の中の動きを表現しているのですが、まあこれがバカバカしいこと。体の中で“仕事”をしているおじさんたちが、脳の司令を受けて「かゆいから体をかけ!」とか、「このタイミングで舌を出せ!」とか言うんですから。『モアナと伝説の海』と併映された傑作短編映画『インナー・ワーキング』のお下品版と言っても差し支えないでしょう(あるかも)。

その他にも、メスのヒツジに浮気したと相談された医者がそのヒツジに恋してしまうとか、出演者の性癖を当てるクイズ番組が始まるとか、“パンとヤレるか”などのヤバい研究をしている博士の元に訪れてしまうわ、前衛的なエピソードが目白押し。◯◯◯◯が怪獣として襲ってくる展開に至っては本当にアホになるかと思いました。

4:『ソーセージ・パーティー』食材版のトイ・ストーリー?

ソーセージ・パーティー (字幕版)

3DCGのアニメ映画でありながら、絶対に子どもには観せてはいけない作品です。主人公のソーセージ(男)が、スリット入りのパン(女)に“挿入”することを夢見るというあらすじからもう最低。全編で「F◯CK」って言いまくり、ドラッグやり過ぎ、(ジャガイモの)皮が剥かれたり(茹でて)拷問をされ続けるという残虐描写までもがあります。ヒドいですね。

本作の根底にあるのは、「すべての物質には霊魂が宿る」という“アニミズム”です。『トイ・ストーリー』がアニミズムによりおもちゃを大切にする気持ちを喚起してくれた一方、本作では「お前ら食材を食う人間どもは残酷なんだよ!」という誰も得しないことを教えてくれます。クライマックスは本当に最低、ドン引きしながらゲラゲラ笑えて大満足でした。

ちなみに、音楽を担当しているのが『アラジン』や『美女と野獣』のアラン・メンケンだったりします。アカデミー賞を受賞した大御所に何やらせてんねん!

5:『ムービー43』ありとあらゆるお下劣の詰め合わせ!

ムービー43 DVD

まずは日本の宣伝の素晴らしさ……というかヤケクソっぷりに触れなければならないでしょう。「全米がドン引く酷評の嵐!!」や「あまりにもヒドい映画なので予告編でこれ以上内容に踏み込むのをあきらめます(配給会社)」などの文言は、他の映画では絶対にみられません。

本編の何がヒドいって、豪華キャストの無駄使いっぷりとエピソード自体のしょーもなさ。全12編からなるオムニバス作品なのですが、はじめのエピソードから「首になぜかタマタマをぶら下げたヒュー・ジャックマンと一緒に食事をする」というものだったりするんです。ウルヴァリンに何やらせてねん!

他にも『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』シリーズのクリス・プラットが恋人に仕方なくウ◯コを噴射しようとするわ、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが元カレとスーパーで延々と卑猥な会話をするわ、『シカゴ』のリチャード・ギアが“全身女性型”の音楽プレイヤーを販売する会社の社長に扮するわ、『300(スリーハンドレッド)』のジェラルド・バトラーが小さな妖精になって誕生日プレゼントにされるわ、『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツが初潮を迎えた中学生として大慌てするわで……ええい!お前らもうちょっと仕事を選べ!(※実際に何人かのスター俳優が脚本を見てオファーを断ったそうです)

さらに特筆すべきは、思いっきり『バットマン』およびDCコミックヒーローのパロディになっているエピソードがあること。内容はお見合いパーティでバットマンが相棒のロビンに(性的な)嫌がらせするというもので、真面目なDCコミックファンが観たら激怒モンでしょう。それでいて、『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』よりも双方がバトる理由に納得できるかもしれません(バットマンが畜生すぎるから)。

ちなみに第34回ラジー賞にて最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞を受賞している作品なのですが、「こんなに有名な人がこんな下ネタを連発している!」という要素だけでけっこう面白く観られますし、あたまのおかしい脚本家が映画会社を脅すというメインの物語が興味を引いて飽きることがないし、そもそも狙ってクソ映画を作ろうとしている内容なので、あんまりその賞にはふさわくないような気がします。

また、それぞれのエピソードで監督の個性がみられるのも興味深いところ。特にラストの“『メリー・ポピンズ』のような2次元のアニメで描かれたネコちゃんが、最悪な騒動を起こす”という短編は、現在公開中の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のジェームズ・ガン監督が手掛けており、「かなりヤバいことになっているけど、これって笑っていいの?」と戸惑う感じの作家性が存分に表れています。

まとめ:お下劣映画は吹替で観てみよう!

以上に挙げたお下劣な映画は、日常でイヤなことがあった人にこそおすすめします。“くだらない”や“低俗”ということは、大事なものや重要なことが溢れかえっている現代社会において、一種の清涼剤になることでしょう。たぶん、観ているうちに悩んでいることのだいたいがどうでも良くなります。

また、こうした下ネタが売りの映画は吹替版で観るのもおすすめです。字幕ではどうしても音声が出るタイミングとズレが生じてしまいますが、吹替では“単語が出てきた瞬間に笑える”のですから。声優さんが恥ずかしいセリフを喜々として発しているのを聞くだけで何だか幸せになれますし、そのプロとしての仕事をまざまざと感じられることでしょう。

ちなみに、さらにお下劣な映画には、世界で最も下品な人間の座を争うという『ピンク・フラミンゴ』がありますが、いろいろな意味で上級者向けすぎるので後回しにすることをおすすめします。まずは『テッド』で慣れてから、上記の映画にチャレンジしてみてください!

(文:ヒナタカ)