ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 サブ4

(C)Universal Pictures

トム・クルーズの「ザ・マミー」は?

女の後輩 さて、では「トランスフォーマー/最後の騎士王」について・・。

後輩 ちょっと待った。7月28日から公開されるトム・クルーズ主演の「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」については触れないんですか?

爺 うむ。これも夏休み映画では大作の部類に入るぞ。

女の後輩 ただねえ。今さら「ハムナプトラ」のリブートをされても・・・。

爺 それをトム・クルーズがやるというのが興味をそそるじゃないか。

女の後輩 というか、このところトム・クルーズ主演作は「ミッション:インポッシブル」シリーズを除いて、大ヒット作がないよね。「オブリビオン」とか「ジャック・リーチャー」シリーズとか、意欲的な試みをしているのは認めるけど、今ひとつ成績に結びついていない感じ。

爺 キャラクターで映画を見る視点で言えば、もはやトム・クルーズというよりイーサン・ハントなんだろうな。残念ながらジャック・リーチャーとは認知されていない。だから「ザ・マミー」の場合も、ミイラ映画とトム・クルーズというカップリングそもそもミスマッチなのだが、そのミスマッチ感が興味をそそるという人もいるだろう。

女の後輩 まあ夏休みですから、怖い映画のニーズはあるでしょうけど。

後輩 次はいっそのこと、日本ロケで「怪談」でもやってみてはどうでしょうねえ?

女の後輩 誰が見るのさ?

「トランスフォーマー/最後の騎士王」は一見さんお断り?

トランスフォーマー/最後の騎士王 サブ04

(C)2016 Industrial Light & Magic, a division of Lucasfilm Entertainment Company Ltd., All Rights Reserved

爺 さて「トランスフォーマー/最後の騎士王」だが、これがシリーズ第5作目で、第1作が公開されてからちょうど10年経つわけだな。

女の後輩 「10周年記念作品!!」って大々的にブチ上げれば良いのにねえ。

後輩 ただ、このシリーズの興行成績を見ていくと、不思議な動きをしているんです。2007年8月に公開された第1作は興収40.1億円という大ヒットを記録するのですが、2009年6月に日本が世界先行公開となった第2作「トランスフォーマー/リベンジ」は興収23.2億円にダウン。ところが2011年7月公開の第3作「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」は興収42.5億円を上げてシリーズ最高を記録します。なのに2014年8月公開の第4作「トランスフォーマー/ロストエイジ」の興収は29.1億円と30億円を下回るという、まるでジェットコースターのように目まぐるしいアップダウンを見せているのです。

女の後輩 マイケル・ベイ命の先輩が聞いたら叱られそうですが、あたしゃ、どの作品がシリーズ何作目かがよく分からなくて。

爺 どれも巨大なロボットが出てきて戦う絵柄だしな。

後輩 その巨大ロボットの戦いと変形プロセスを、その時時の最新のVFX技術で見せているのがこの映画のセールスポイントで、時には3Dでそれを見せたり、さらにIMAX撮影をしたり。

女の後輩 だからガチャガチャしていて落ち着かないのよ。しかもあの監督の演出は、やたらにテンポが速くてお話が置いてけぼり。

後輩 先輩に言わせると、そういうことがすべてカタルシスに繋がっているんだそうですが。

女の後輩 あの男は精神年齢が幼いから、こういうオモチャみたいな映画がスキなのよ(笑)。

爺 ただ、それでもこれだけの興収を上げているシリーズなんだから、今回もヒットするんじゃないか?

後輩 1作目と3作目が40億円台で、2作目と4作目が20億円台ですから、5作目はまた40億円台に復帰するんじゃないでしょうか(笑)?

女の後輩 ああ・・・あんた、頭の中がマイケル・ベイ並にお目でたいわねえ。

爺 一種のイベント・ムービーだからな、このシリーズは。だから周辺の競合作品の影響を受けやすいんじゃないかな。確実に固定ファンはいるものの、1作ごとの特徴を出して浮遊層に働きかければ、ネームバリューはあるのだから、そこそこ行けると思うけど。

女の後輩 私みたいにシリーズの何作目なのか区別がつかない人も少なくないんじゃないですか。それってけっこう重要なことだと思いますけど。

後輩 今度の第5作では、オプティマス・プライムとバンブルビーが対決する。これはファンにとっては見逃せない、まさにイベント・ムービーですよ!

女の後輩 あっそう(興味ゼロ)。

爺 シリーズのファンであるかそうでないかで、これだけ鑑賞モチベーションに差が出る映画も珍しいな(笑)。マイケル・ベイ監督は、あと13本シリーズを作るつもりだそうだから、ここらで新しい観客層を獲得しておく必要があることは確かだ。

女の後輩 そんなに作るんですかあ!!それ、全部見るのは先輩ぐらいのもんですよ。

作品の出来は文句なしの「スパイダーマン:ホームカミング」。

スパイダーマン:ホームカミング 場面2

(C)Marvel Studios 2017. (C)2017 CTMG. All Rights Reserved.

爺 さて8月も半ばに入ると、2本のアメコミ映画の大作が登場する。まずは8月11日公開の「スパイダーマン:ホームカミング」だが、ふたりとも試写を見てどうだった?

後輩/女の後輩 面白かったですっ!!

爺 ほお。ふたりそろって1本の作品を誉めるのは、珍しいな(笑)。

女の後輩 アメコミ映画には距離があった私ですが、唯一「スパイダーマン」シリーズだけは別格だったんですよ。単に悪人を退治するだけでなく、主人公の成長や葛藤が等身大で描かれていて、青春映画を見ているような親近感があるのが「スパイダーマン」と「アメイシング・スパイダーマン」2作の大きな特徴です。

後輩 「アメイジング・スパイダーマン」って、なんで2作で終わっちゃったんでしょうね? マーク・ウェブ監督の演出、良かったと思うんですが。

女の後輩 サム・ライミ監督の3作品と同じ事をやっていてもねえ・・。今度の「スパイダーマン:ホームカミング」は、再び仕切り直しというか新シリーズになっていて、主役のピーター・パーカーが既にスパイダーマンとしての能力を身につけていて、アベンジャーズ入りをしたいのに、トニー・スタークが受け付けないといった展開は、なかなか笑えます(笑)。

爺 なんじゃあ?また「アベンジャーズ」絡みの話になっているのかあ?

後輩 「アベンジャーズ」の続きというよりも、「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」のストーリーと繋がってます。

爺 またややこしいことを・・MCUだなんだと・・。

女の後輩 それでも面白い映画でしたけどね。ピーター役のトム・ホランド君が可愛くて、息子にしたいほどです!!

後輩 母性本能もてあましてるんですねえ・・・。

「面白いと言われている映画がヒットしないのは、おかしいだろ!!」

スパイダーマン:ホームカミング 場面1

(C)Marvel Studios 2017. (C)2017 CTMG. All Rights Reserved.

女の後輩 もちろん悪役もちゃんと登場します。それもバットマンを演じたマイケル・キートンがトニー・スタークを逆恨みして、自ら開発した武器で陰謀を企む悪人を演じています

爺 他のアメコミ映画やヒーローものと違うのは、ヒーロー未満であるピーターがトニー・スタークに認められるまでのプロセスを描いているってことかな?

後輩 まあ、そうですね。誰だって15歳頃にはヒーローに憧れる気持ちは少なからずありました。ピーターの場合、実際にその力を手にしてしまったことから、アベンジャーズの仲間入りを願うわけですが。

女の後輩 なにせ分別がないお子ちゃまだから、色々と未熟で危ないわけですよ。そういうところに目をつけたヒーロー映画は初めてかな、と。

後輩 サム・ライミ監督の3部作で語られた「大いなる力には、大いなる責任が伴う」というテーマを、別の形で描いているわけですね。トニー・スタークはいわば父親代わりなわけで。

女の後輩 その「大いなる力には・・」と言い放ったピーターの保護者・ベン伯父さんが今回は登場せず、メイ叔母さんはやけに若返ってセクシー度アップ(笑)。マリサ・トメイ、年齢を感じさせないわあ。

爺 だいたい君たちがどこを指して「面白い!!」と言っているのは分かった。そこまで「面白い!!」という声が上がれば、こりゃ大ヒットするだろう。

後輩 いやいや、そううまく行かないことは、ご隠居だってご存じのはずでしょう。

爺 なんでだ? 観客が映画館にクソ高い料金を払って映画を見るのは、面白さを求めてだろうが。

女の後輩 それだけとは限りませんよ。「スパイダーマン:ホームカミング」の場合も、映画はとても充実した出来なんですが、見終わった時にポスターを見て「・・なんか、違わない?」という違和感が・・。

後輩 それ、僕も感じました!

爺 なんで面白いと評価されているところを前面に出して宣伝しないんだろ?

後輩 いやいや、分かりづらいですよ。15歳の少年の成長とかは。アメコミ映画なわけですから、スパイダーマンとアイアンマンが共演して、巨大な悪に立ち向かうということが、一番のセールスポイントになるわけで、実際に映画を見たらドラマもしっかりしているなあ、というお得感を観客が感じる。それが大ヒットに繋がれば良いのですが。

女の後輩 もしかすると、私たちが面白いと言ってる箇所って、オーバースペックかもしれないわね。

爺 オーバースペック?

女の後輩 あくまでマーベルの映画で、アベンジャーズが関わってきているわけだから、派手なバトル・シーンこそを観客は見たがっているんじゃないかと思うのよ。

後輩 それは違うでしょう。それに昨今のアメコミ映画は、ドラマ的にもかなり深いテーマを描いているじゃないですか。「ローガン」とか。

女の後輩 ひとつ気になっているのは、これだけ皆が絶賛している作品なのに、アメリカでのオープニング成績が今ひとつだったこと。

爺 それはわしも感じたぞ。オープニング興収1億1700万ドルという成績は、確かに大ヒットと言えるけれど、もっと派手なオープニングをソニー・ピクチャーズは期待していたんじゃないかな?それに加えて第2週の週末が前週対比62.2パーセント減となっているあたり、最初に見た観客が求めていた内容ではなかったのかもしれないな。

後輩 今回はマーベル・シネマティック・ユニバースの1本として作られているわけですが、そのことによってアベンジャーズやアイアンマンが登場することは、大きなセールスポイントです。でも、それによってスパイダーマンの役割がヒーロー未満にならざるを得なかった。もちろんそうしたドラマをきちんと描いているからこそ、そこのオールドミスと僕が絶賛しているわけですが、ヒーロー映画としてのカタルシスはどうかと言えば、いささか難があるのかもしれません。

女の後輩 オールドミスなんて言葉、今世紀に入って初めて聞いたわよ。

爺 それでも日本では、お盆のまっただ中に拡大公開する、夏休み映画の本命の1本だ。面白い映画なんだからヒットして欲しいよ。心からそれを祈りつつ、次の作品に行こうか。

とにかく明るい「ワンダーウーマン」?

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

女の後輩 「ワンダーウーマン」!

後輩 これまた文句なしに充実した作品になっています。

爺 「バットマンVSスーパーマン」に登場したワンダーウーマンが、晴れて1本立ちの主演作をものにしたわけだな。

女の後輩 とても爽快な映画でした。だから私としては、この夏休み映画の後半戦は「スパイダーマン:ホームカミング」VS「ワンダーウーマン」という認識です。

後輩 でも「スパイダーマン:ホームカミング」は8月11日からで、「ワンダーウーマン」はその2週間後の公開でしょ?

女の後輩 戦略的にそうしたんでしょうね。マーベル対DCの正面衝突ならず、か。

爺 ちと惜しい感じもするが、「ワンダーウーマン」の場合は女性が主役であるあたりが一番のセールスポイントかな。

女の後輩 女性ヒーローというか、まあヒロインなんですが(笑)。ただ、見ていて感じたのは、このキャラクターを女性が演じる必然性はあまりないなあ、と(笑)。

後輩 それを言ったら「ワンダーウーマン」にならないでしょ!

女の後輩 まあそうだけどさ。ガル・ガドット扮するワンダーウーマンは、とにかくパワフルで強い。でも女性ならではの描写というか、ちょっとセクシーだったり、そういうシーンはあまりないのよ。

爺 星条旗柄のブルマーも履いてないし(笑)、アメリカでは「胸が足りない」と言われたそうだけど、ことさらそれを強調することはしていないんだな。

後輩 女性ヒーロー主演イコール・セクシーなアクション映画という期待には答えていませんね。監督も女性ですから、そのあたりは意図的にそうしたのかもしれません。

爺 だから「女性である必然性がない」ってことになるのか。なるほど。

女の後輩 ただしこの映画の場合も「スパイダーマン:ホームカミング」と同様、映画として実にうまく出来ている。満足度は高いですよ。

爺 注目すべきはアメリカの観客の半分が女性だということだな。

後輩 日本でも早めに宣伝を立ち上げ、これまでDC作品は暗いイメージがありましたが、今回は明るく売ろうとしているように感じます。

爺 ずっと「バットマン」シリーズがあったからな。確かにあれは暗い。ワーナー・ジャパンがどれほどあのシリーズをヒットさせるために苦労して来たか。

女の後輩 だからアメコミ映画のいつもの客層に加えて女性層がかなり動くんじゃないかしら?

爺 そうなってくれると良いね。この後11月にはDC版「アベンジャーズ」とも言うべき「ジャスティス・リーグ」も控えているわけだし。

「ベイビー・ドライバー」!! 「ベイビー・ドライバー」!!!

爺 あとは何か、夏休み映画で語り漏らした作品はないかな?

後輩 ・・・「ベイビー・ドライバー」・・・。

女の後輩 見た!!もー大好きっ!!

爺 どんな映画なんじゃ?

後輩 「ベイビー・ドライバー」ですよ。とにかく。

女の後輩 8月19日公開。そんなに大きなマーケットには出ないと思うけど、これは必見ですよ!!

後輩 「ベイビー・ドライバー」!!

女の後輩 「ベイビー・ドライバー」!!!

爺 なんじゃなんじゃ? いったいどんな映画なんだ?「ベイビー・ドライバー」とは?

女の後輩 見れば分かります。

爺 それじゃあ夏休み映画を語る座談会にならんだろーが!

後輩 「ベイビー・ドライバー」!!!

女の後輩 「ベイビー・ドライバー」!!!!

爺 ええい、もう!!「ベイビー・ドライバー」!! 「ベイビー・ドライバー」!! 「ベイビー・ドライバー」!!!!

(企画・文:斉藤守彦)