ビニー/信じる男 サブ1

(C)BLEED FOR THIS, LLC 2016

ボクシングもの映画は大好きです。そしてマイルズ・テラーが実在のボクサーを演じると聞いて、見られるのがとても楽しみでした。

よく「どん底から這い上がる」映画はありますが、本作の主人公は事故で首を折ってしまい、普通の生活もできなくなるかもしれないという絶望的な状況から、プロボクサーとして試合ができる状態まで這い上がるという凄まじい映画でした。

人間の生命力にも驚かされましたが、「自分はできる」と信じる続けて、実際に治してしまうところも凄い!

1:どんな話?

ボクサーのビニーは世界タイトルを手にしますが、浮かれていたところ自動車事故を起こしてしまい、首を骨折する大怪我を負ってしまいます。

とてつもない重傷でボクサーとしての再起はおろか、日常生活にも支障がでるかもしれないと診断されてしまいます。

それでも再起できると信じて、ハイリスクな治療を受け、リハビリを続けていきます。

実在のボクサー、ビニー・パジェンサの波乱の人生を描いた人間ドラマです。

2:当時の治療方法にびっくり

90年代なので医療技術は今とそこまで変わらないもの。しかし首や脊髄というとても難しい箇所の治療・手術のため完全に事故前の状態に戻せる保証はありません。

まず勧められる治療が、日常生活は送れるけど、ボクサーは引退しなければならないというもの。

しかし、ビニーはそれよりもリスクは高いけど、ボクサーに戻れる可能性のある治療・手術を希望します。

かなり壮絶で術後も、額に医療器具を埋め込むというもので、見た目も相当痛そうです。負傷箇所が首だけにこれ以外はボクサーとして復帰できる可能性のある治療はないわけで。ビニーにはこれ以外選択肢はなかったんでしょうね。

ビニー/信じる男 サブ3

(C)BLEED FOR THIS, LLC 2016

3:信じる力で復活を遂げる

そんな状況でも復帰できると信じて、リハビリにトレーニングを続けていきます。医療器具をつけた状態では、安静にしていなければいけないのに。

トレーナーの心配を知りつつ、一緒に極力負荷をかけないようなトレーニングをしていくところとか、感動的です。

信じるのは自分だけでなく、トレーナーも自分を信じてくれるわけですから。しかもトレーナーは治って欲しいけど、無理もして欲しくないという二律背反になっているわけですから。普通なら信じるかもしれないけど、いまは安静に!!って思いますよね。

必ず治ると信じても、トレーニングさせるのは怪我の状態を分かってるし、ほんの少しの間違いが大惨事に繋がるかもしれないから、トレーナーも大変だったと思います。

劇中、このリハビリに時間をかけています。つまり、それだけリハビリが過酷であるということを表しています。

ビニー/信じる男 サブ2

(C)BLEED FOR THIS, LLC 2016

4:激アツな復活戦

大怪我から後遺症もほとんどなく回復したってだけでもすごいのに、トレーニングを重ねて試合に出られるまで復活するのがすごい。

ボクシングの試合がどうなっていくかは、実際にあった出来事で、結果はわかっているのですが、見せ方が上手いってことと、それまでの経緯をゆっくり描いてくれているので、あの状態からよくぞここまで……と胸が熱くなります。

最後の試合は、刮目して見てください。

ビニー/信じる男 サブ8

(C)BLEED FOR THIS, LLC 2016

5:ものすごいキャスト&製作陣の熱

マイルズ・テラーの体つくりがものすごく、元々の細身からかなりの横に広がった筋肉質の身体になっていました。一回りくらい大きくなっているのでは……。

筋肉質の素晴らしい身体もさることながら医療器具つけて痛々しい姿も披露していますし。

さらにアーロン・エッカートが役作りのために18kgも増量したとか。パッと見、アーロンとはわからないレベルで変化しています。特に頭があれだから分かりにくいです。

キャスティングでアーロンがこの役ってのを知らなかったら、スタッフロール見るまで気がつかなかったかもしれません。

製作に脚本に惚れ込んだというマーティン・スコセッシが入っており、さらにマーティン・スコセッシがベン・ヤンガー監督に熱烈オファーし、盤石な布陣の製作陣となっています。

まとめ

どん底まで落ちて這い上がる物語は熱い!底から這い上がる物語は多いけど、日常生活も送れるかわからない状態から、ボクシングという体への負担がめちゃくちゃ多いスポーツの頂上を目指すから、熱さもとてつもないです。

「事実は小説よりも奇なり」とはいったもので、作られた話ではなく、実話というのがびっくりですね。

人間の信じる力、意志の力の凄さがよくわかりました。夏を一段と熱くする作品。ぜひ映画館で体感してください。

(文:波江智)