(C)2017 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

黄色い謎のキャラ「ミニオン」でも大人気のアニメ映画、「怪盗グルー」シリーズ。

今回は、シリーズ最新作である『怪盗グルーのミニオン大脱走』を、公開初日18時の回で鑑賞して来た。劇場内の客層は、『カーズ』と比べてお子さん連れの家族での来場が多く、子供から大人まで幅広い客層が集まった場内は、8割程度の入りだった。

今回恥ずかしながら、過去作を未見のままで鑑賞に臨んだのだが、果たしてその出来はどうだったのか?

予告編

ストーリー

晴れて結婚したグルーとルーシーの前に、新たな敵バルタザール・ブラットが現れる。1980年代に子役として人気を博した過去の栄光にすがり、80年代ファッションに身を包んだバルタザールは、様々なガジェットを駆使して犯罪を繰り返し、グルーを反悪党同盟から追い出してしまうのだった。

そんな時、グルーにはドルーという生き別れになっていた双子の兄弟がいることが判明!父親から莫大な遺産を相続しているドルーは、大泥棒だった父の志を受け継ぎ、天下の大悪党になることを夢見ていた。

一方、グルーの相棒ミニオンたちは、グルーが反悪党同盟をクビになったことで再び悪の道に戻ってくることを期待していたが、グルーにその気がないことを知り、新たなボスを求めて旅に出るのだが…。

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予習無しでも大丈夫!今回は大人の方が楽しめるかも?

いや、これは面白かった!

今回、過去作を見ていない自分でも充分に楽しめたのは、新しいキャラクターが中心のストーリーだったからだろうか?とにかく、冗談抜きで90分の上映時間中、ずっと面白さと興味が途切れること無く持続したのには、驚かされた。

今回は吹替え版での鑑賞だったのだが、実はこの吹替え版の出来がまた最高!

特に悪役バルタザールの声を担当した松山ケンイチは、暫く彼だと気付かない程のハマりっぷり!グルーの双子の兄弟ドルー役の生瀬勝久、グルーをクビにする反悪党同盟のボス役のいとうあさこ、など、単に話題性で選ばれたのでは無い配役と、キャラクターと違和感の無い吹替えには、本当に感心させられた。

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グルーと子供達の親子愛と深い絆、子供達の可愛らしさとミニオンたちの脱線っぷり。次々に登場する秘密兵器と盗みのシーンの面白さ、などなど。本作の魅力は山ほどあるのだが、特に個人的にツボだったのが、全編に渡って懐かしの80年代洋楽がかかりまくる点!

上映時間の関係や権利上の問題もあってか、残念ながらそのイントロしか流れない曲も多かったのだが、80年代の人気テレビドラマの子役出身という、悪役バルタザールの設定とも非常に良く合っており、大人も充分に楽しめる作品として、最大限の効果を上げていると感じた。

更に、バルタザールの武器が、懐かしのルービックキューブやヨーヨーやバブルガムだったりするのも、80年代に子供だった世代には、たまらない要素のはず!もしも親子でご鑑賞の際には、是非お子さんに80年代アイテムの解説などをして上げては?

怪盗グルーのミニオン大脱走 サブ

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最後に

実は、今までどうしても、サブキャラであるミニオンズが目立っていた感のある「怪盗グルー」シリーズだったが、今回の鑑賞でやっぱりこのシリーズの魅力と成功の一番の要因は、グルーの善人さと可愛い子供達との関係性にあると再認識させられた。

怪盗グルーのミニオン大脱走 サブ

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例えば普通の展開だと、いきなり双子だと名乗り出たグルーの兄弟が実は悪い奴で・・・。という流れになるかと思ったのだが、これも兄弟が協力してお互いを理解しハードルを乗り越えるという、心温まる展開で終わらせていて、しかもラストで次回作へのグルー兄弟の対立へと繋げてくれる。

一見怖そうなグルーが持つ、その外見と内面とのギャップ!そこにこそ、観客は魅了され感情移入してしまい、自分の様に過去作に触れていない観客でも、鑑賞後に過去作を見ずにはいられなくなるのだ。

90分という短い上映時間内に、普通の映画3本分以上の要素を凝縮した様な本作。それでもラストまで話の流れが一切途切れないのは、実に見事!

しかしその反面、肝心の悪役があまり目立たなかったり、「あ、このエピソードもっと見たかったのに・・・」と感じたり、展開がちょっと早過ぎるのでは?そんな感想がネットに多く上がっているのも事実。

ただ、2作目3作目と進む内に、次第に失速・マンネリ状態に陥る作品と比べれば、本作のサービス振りは観客にとって喜ぶべきことなのではないだろうか。

怪盗グルーのミニオン大脱走 サブ

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シリーズを重ねる毎に大きな事件を起こしたり、敵役の強さをどんどんエスカレートさせることで観客の興味を持続させる様な、一連の作品群とは一線を画す作品。それこそがこの「怪盗グルー」シリーズなのだろう。

シリーズを追う毎にキャラクター達がちゃんと成長・変化することで、また新たな観客を取り込むことに成功しているこのシリーズ。我々観客に、一日も早く4作目を見たいと思わせてくれる作品なので、全力でオススメいたします!

(文:滝口アキラ)