『猿の惑星』の前日譚(たん)シリーズ最新作『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(10月13日 日本公開)についてマット・リーヴス監督が、7月11日(現地時間)ニューヨークで行われたAOL開催のイベントで語った。

 前作『猿の惑星:新世紀(ライジング)』に続きリーヴス監督がメガホンを取った本作。知性のある猿たちと人間の生き残りを懸けた戦いが激しさを増す中で、マッカロー大佐(ウディ・ハレルソン)率いる人間たちに襲われ家族を失った猿のリーダー、シーザー(アンディ・サーキス)は、仲間を守るために数匹の猿だけを連れて、群れを離れることを決意する。だが、シーザーは道中で幼い人間の少女ノバ(アミア・ミラー)をかくまったことで、家族を失った復讐心とリーダーとしての使命感との狭間で悩み始める。

 リーヴス監督が「脚本執筆中は、 ジョン・フォードの『捜索者』、クリント・イーストウッドの『アウトロー』といった多くの西部劇や、テレンス・マリックの『シン・レッド・ライン』など、1日1本は映画を観ていたんだ」と話すように、『ゴッドファーザーPART II』に影響を受けたという前作『猿の惑星:新世紀(ライジング)』に対し、西部劇をほうふつとさせる作品になっている今作。

 モーション・キャプチャーによるパフォーマンスやストーリー構成などあらゆる面で前作を超えているが、どんなアプローチを図ったのだろうか。「全ての作品は観客をシーザーの旅路にいざなうためのもの」というリーヴス監督は今作について「脚本を共に書いたマーク・ボンバックと僕が今作でやりたかったのは、映画全体でのシーザーの立ち位置に共感が持てるストーリーをシリーズで初めて描くことだったんだ。今作で最も重要な戦争は、シーザーが自分自身を保つための心の葛藤にある。影響力の大きい猿のリーダーになるための最後のテストだね」と語る。

 ノバ役のアミアについては「彼女はエンプティ・テイク(人や猿が自身の前に立っていない撮影)もこなしたんだ。通常、まずその映像の全てのキャラクターを一度に撮影し、もしその中に人間のキャラクターが居る場合はエンプティ・テイクも撮る。僕自身は事前にWETA(今作のCG制作会社)には、他のキャラクターとの共演で反応が良いアミアの映像を使ってほしいと伝えていたんだけど、WETAからはアミアだけの映像も欲しいといわれてね。アミアはすごく直感的で、与えられた瞬間、瞬間で素晴らしい反応をするから、エンプティ・テイクの演技も素晴らしくてその映像が結構使われたんだよ」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)