俳優の竹野内豊が、9月から放送されるNHKドラマ10「この声をきみに」で同局ドラマ初主演を飾り、現在、静かなブームになっている“朗読教室”に通う、さえない大学教員役に挑むことが明らかになった。共演には麻生久美子ミムラ堀内敬子松岡充、大原櫻子らが名を連ねており、作者・大森美香は「朗読、数学、家庭、友情……この複雑多岐なテーマに竹野内豊さんをはじめ、美しい声の方ばかりが集まってくださいました」と朗読もある本作ならではのアピールをした。

 「あさが来た」「聖女」などの大森が手掛ける本作は、大人の間でじわじわと注目を浴びている“朗読教室”を舞台に描く、大人のための癒し系感動ドラマ。偏屈でさえない46歳の穂波孝(竹野内)は、大学で数学を教えているも、話すことが苦手で学生からの人気がない。愛想を尽かした妻の奈緒(ミムラ)は子供を連れて出て行ってしまい、学部長からは「話し方教室」へ行くように命じられる。そこで講師として出会ったのが、孝の目には“偉そうな女”として映った江崎京子(麻生)。江崎の上司・佐久良(柴田恭兵)が仲裁に入るものの、険悪な雰囲気のままふたりは別れる。しかし数日後、彼らは町はずれにある、小さな朗読教室で予期せずして再会するのだった。

 竹野内は、本作のストーリーについて「多くの方が一度は不可能と思いつつも、『人生をやり直したい』と願うことがあるかと思います。最初にこの台本を頂いた時、人生をやり直すことはできないけれど、『これからの人生を変えることは誰しもができる!』と感じました。『これからの人生を変える』ということは、今までの自分を改めて、新しい1歩を踏み出さなくてはいけない……そのたった1歩を踏み出すことに、ものすごい勇気がいると思います」と共感を覚えたことを明かしつつ、「私が演じる主人公の孝は、『朗読』をきっかけに、その1歩を踏み出すことになるのですが、この作品も、変わりたいと願う全ての方たちが、新しい1歩を踏み出せるよう、背中をそっと押せるような存在になれたらと思います。自分も、この作品を乗り越えることで、新しい1歩を踏み出していけたらと思います」と本作に込めた思いを語った。

 作者の大森は、本作の舞台を朗読教室にしたことについて、「母がずっと朗読ボランティアをしており、私自身も聞くことが大好きだったのもあって、<朗読>はいつか描いてみたいと願っていたテーマでした」と説明し、「文章を声に出して読むだけの<音読>と違い、<朗読>は読み手の声と心を使って聞き手に何かを伝えるための読み方。ひとりよがりではできません」とその魅力を指摘。「SNSなどの普及によって声なしに意志のやりとりをすることが当たり前になった今だからこそ、誰かの声を聞くことでふいに心が緩まったり、胸が高鳴ったり、涙が出たり、そんな感覚を新鮮に味わえるような気がしています。秋の夜長、美声を聞きながら、ドキドキしたり、フッとしたり、そんな一時を味わっていただけたら幸いです」と期待をあおるコメントを残した。(編集部内・石神恵美子)

NHKドラマ10「この声をきみに」は9月8日から毎週金曜よる10時放送