WOWOWシネマで放送中の映画情報番組「斎藤工×板谷由夏 映画工房」(毎月曜・後8時45分ほか)が今秋に放送300回を迎えるのを記念し、クレイアニメ『映画の妖精フィルとムー(仮題)』(秦俊子監督)制作応援プロジェクトを実施していくことが24日、都内で発表された。

 プロジェクトは、カンボジアをはじめ発展途上国で移動映画館を行なっているNPO法人「World Theater Project」(代表:教来石小織)用に、現地での上映作品を制作するというもの。同団体は2012年から活動をはじめ、すでに4万人以上の子どもたちに映画を届けてきたが、その過程でどうしても作品の上映許可問題がネックになってきたという。

 斎藤自身も、今年1月にJICA(国際協力機構)の依頼でマダガスカルに赴き、移動映画館の実施を試みたが、同様の苦い経験を味わったことがあるそうだ。そこで教来石さんに相談したところ、今回のオリジナル作品の制作へと発展したという。監督は、斎藤が声優出演したクレイアニメ『パカリアン』の秦俊子が務める。

 斎藤は「(番組で共演している)板谷さんと(映画解説者の)中井圭さんにも一緒に参加しませんか? と声をかけたところ、ちょうど番組が300回のタイミングを迎えることもあり、WOWOWも応援という形で入る事になりました。自分が関わってきたその全ての点と点が線になった」と、人との繋がりが大きな実を結んでいく喜びを語った。

 制作する『映画の妖精フィルとムー(仮題)』は、World Theater Projectの公式キャラクターのフィルとムーが、スクリーンの中に入って、名作映画を通して冒険をするという、約5分間のファンタジー。本作に斎藤は、アーティスト名の齊藤工として携わり、キャラクター命名者・ストーリー原案・共同脚本、さらに声の出演と八面六臂の活躍を見せる。

 ただクレイアニメは、キャラクターを少しずつ動かしながらコマ撮りするという手間と時間を要し、制作費もかかる為、Motion Galleryを通じてクラウドファンディングで募るという。完成した作品は10月に予定している「映画工房」の公開収録イベントで御披露目する。以降は、World Theater Projectの活動はもちろん、他の上映団体や海外でボランティア活動を行なっている人たちから希望があれば、著作権フリーで貸し出すことを検討しているという。

 斎藤は「僕もライフワークとして、2014年から移動映画館cinema birdを続けてますが、教来石さんから話を伺い、国内と途上国での上映は意味合いが違うと深く感じています。カンボジアでは子供に将来の夢を聞くと、医者や学校の先生と答えるそうで、情報がなく職業を知らないためらしいです。でも映画上映やヘアメイクなどのワークショップを行うと、その職業に興味を抱くそうです。そうやって子供たちの未来が広がっていくのも、映画上映の一つなんだなと思いました」と活動の意義を深く噛み締めていた。

 斎藤と共に声優で参加することになった板谷は「長く続けてきた番組で、しかも300回の記念にこうした企画が出来るのは意義のある事。どんどん夢が広がるようで、話を聞いていてワクワクします」と声を弾ませた。(取材・文:中山治美)

● World Theater Project
https://worldtheater-pj.net

●cinema bird
http://cinemabird.com