『ショーン・オブ・ザ・デッド』などで知られるエドガー・ライト監督が31日、都内のソニー・ピクチャーズ試写室で行われた映画『ベイビー・ドライバー』来日記者会見に出席し、全米で大ヒット中の本作の続編制作に意欲を見せた。

 イギリス出身のライト監督が初めてアメリカで撮影した本作。『スコット・ピルグリムVS. 邪悪な元カレ軍団』以来、約6年ぶり3度目となる今回の来日はライト監督たっての希望により実現したもので、土曜日に来日するや早速「フジロックフェスティバル '17」「ロボットレストラン」「タワーレコード」などを訪れ、日本を満喫したという。

 監督自ら「ロックンロール・カーチェイス・ムービー」と評する本作は、音楽に乗って天才的なドライビングテクニックを発揮する、犯罪組織の“逃がし屋”を描くアクション映画。多大なる影響を受けたと公言するウォルター・ヒル監督の傑作『ザ・ドライバー』(1978)がインスピレーションの源になったと明かしている。

 「ウォルターと親しくさせてもらってから6、7年ほどたったけど、正直、彼にアイデアを話すのも緊張して。なかなかアドバイスをください、とは言えなかった」と述懐したライト監督は、「でもこの映画を観てくれた人にはわかると思うけど、ウォルターに声の出演をしてもらっているんだ。だから僕なりの方法で、インスピレーションを与えてくれたことへの感謝を表すことはできたかなと思っている」と誇らしげ。

 当のヒル監督は試写やプレミアイベントへの誘いを断り、「初日にお金を払って観る。そうやってサポートするよ」と語ったという。ライト監督は「ロスのセンチュリーシティーモールにある映画館で、奥さんと一緒に観てくれた。しかもそのモールの地下駐車場は『ザ・ドライバー』のロケ地の一つなんだよ! ウォルターが『ベイビー・ドライバー』にお金を払ってくれたんだよ! 彼には10回ほどディナーをごちそうさせてもらわないとね!」と笑顔を見せた。

 また、『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督も同作に魅了された一人で、13回にもおよぶツイートで同作を称賛している。「ギレルモはロンドンで観てくれたんだ。実はツイートする前に連絡してくれて、たくさん褒めてくれた。そうやって他の監督が声を掛けてくれるのは本当にうれしいことだよ。それから史上最高のカーチェイス映画を2度(『フレンチ・コネクション』『L.A.大捜査線/狼たちの街』)作り上げたウィリアム・フリードキンも初日を観た後に電話をくれたんだよ!」とニコニコと振り返った。

 先日、早くも本作の続編の企画が進められているというニュースが報じられたが、「まだ正式にというわけではなく、もしかしたら、だね。今はそういう話がチラホラ出ているという段階」とのこと。しかし「この映画を制作しているときは本当に楽しくて仕方なかったから、この後、彼らがどうなったのかというのはとても気になっているんだ」と意欲は十分な様子だ。

 鈴木清順監督の『東京流れ者』からの影響を指摘され、「なるほど」と感じたというライト監督。「10代の時は、北野武監督やジョニー・トー監督の作品をよく観ていた。ただ、今はロスにいるんだけど、ロンドンにいた時の方が外国映画に触れる機会は多かった。ロスはあまり外国映画が劇場公開されないんだよね」と残念そうだった。(取材・文:壬生智裕)

映画『ベイビー・ドライバー』は8月19日より新宿バルト9ほかにて全国公開