ボクシング元WBA世界ミドル級チャンピオンの竹原慎二が5日、原宿クエストホールで行われた映画『ギフト 僕がきみに残せるもの』トークイベントに出席。2014年にステージ4の膀胱がんと診断され、手術後3年が経過しているが「いまはとても元気です」と語りつつも、8月末に検査を控えている身として「検査の前はいつも最悪なことを考えてしまいます」と不安な胸のうちを明かしていた。

 竹原は、医者からの告知に「もう諦めた」と人生を投げようと思ったが、妻や周囲の人々の励ましによって「絶対負けちゃいけない」と不屈の精神でがんと闘い、現在は手術から3年2ヵ月が経過。昨年はホノルルマラソンにも出場した。「病気になるまでは好き勝手生きていた人間でしたが、がんになり家族や周りの友達の支えがいかに大きいかが身にしみた」と闘病生活を振り返ると、家族に対して「ありがとうという言葉しか出てこない」としみじみと語った。

 また今月3日にブログで、ステージ4の肺腺がんであることを公表したET-KINGのいときんにメッセージを送ったことに触れられると「僕は昔からET-KINGのファンで、10年ぐらい前にラジオでご一緒したことがあったんです。突然ニュースを見て『絶対負けるなよ』と伝えたかったんです。がんは勝つしかないんです。負けた時点で死ですから」とあらためてエールを送った。

 映画『ギフト 僕がきみに残せるもの』は、難病 ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症してしまったアメリカンフットボールの元選手スティーヴ・グリーソンのビデオダイアリーを基に制作されたドキュメンタリー映画。病気を告知直後に妻の妊娠を知ったスティーヴが、生まれてくるわが子のために、約4年間に渡って撮影した1,500時間にも及ぶ映像によって構成されている。

 作品を鑑賞した竹原は「看病する側、される側の両方の目線で見てしまう」と語ると「やっぱり大切なのは周囲の支え。それがあるから負けないで戦える」と作品に登場するスティーヴと妻のミシェルに深く感情移入したことを明かす。さらに「ボクシングで世界チャンピオンになり、どんな病気だって克服できると思っていたのですが、手術や抗がん剤の治療は絶対無理だと思うぐらいつらかった。それに負けなかったのは家族の力です」とあらためて感謝の言葉を口にする。

 この日は、自身も2013年にALSを発症し、ALS患者とその家族のクオリティーオブライフ向上に貢献するコンテンツ開発・支援活動を行う団体「一般社団法人 WITH ALS」代表理事を務める武藤将胤さんとその妻である武藤木綿子さん、ロボットコミュニケーター・吉藤オリィさんも参加し、ALSという病気を知ってもらうためのトークを展開した。(磯部正和)

映画『ギフト 僕がきみに残せるもの』は8月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷ほか全国順次公開