国民的アニメの劇場版シリーズ20作目にして、主人公のサトシとピカチュウの出会いについてスポットが当てられた『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』。彼らの旅路では、今までの劇場版やテレビアニメシリーズにはなかった演出も登場し、エンドロールに仕掛けられた長年のファンを喜ばせるサプライズにはファンから「泣いた」という声も。その意図について湯山邦彦監督が語った。(以下、ネタバレあり)

 本作はサトシとピカチュウの出会いを描いた作品ということで、登場するポケモンは初代テレビアニメシリーズの舞台になったカントー地方のポケモンが中心だ。その例外としてよその地方から来たポケモントレーナーが連れてくるポケモンがいるが、新キャラクターのソウジとマコトが連れているポケモンをルカリオとポッチャマにした理由は、「20周年ということで、スターポケモンというイメージがあり、キャスティングしたかった」という思いがあったそう。もちろん、サトシと対峙(たいじ)するクロスのポケモン「ガオガエン」が、ゲームの最新作「ポケットモンスター サン・ムーン」から引っ張ってきていたりと、なるべくトレーナーのポケモンは幅広いシリーズから登場させているという。

 このように劇中ではソウジとマコトといった新たなキャラクターが登場するが、実はエンドロールでは、過去にテレビアニメシリーズでサトシと旅をしてきたパートナーたちの映像が流れるという、ファン感涙のサプライズが存在する。だがすでに観たという人であれば、彼らの態度に少し違和感を覚えたのではないだろうか。なぜ彼らは、不思議そうな顔を浮かべたのだろうと。

 同映像について監督は「エンディングに登場する彼らは、これから出会うであろうというサトシ目線で描いた映像なんです。映画自体がゼロに戻って、これからまた新たな出会いがあるだろうという物語なので」と説明。そのためエンドロールでは「彼らに初めて出会ったサトシが、彼らに『ポケモンジムはどこ?』『ここは何番道路?』と声を掛けているというイメージ」なのだそう。湯山監督は「だからみんな、声を掛けられて『どうしたの?』という反応なんです。そしてあるキャラクターの髪もまだ長い状態なんですよ」とも明かす。

 さらに監督いわく「今回は本当にサトシとピカチュウの絆や、サトシの弱さを含めてゼロから描けた作品でした。サトシの負の部分でもテレビアニメシリーズではできないところまでいったので、心が通じ合うプラスの部分でもリミッターを振り切りました」とのこと。20作目について、「今までの感謝の気持ちを込めていろんな方が観に来られる作品になれればいいな」とコメントしていた湯山監督。その言葉の通り、監督はさまざまな世代へのプレゼントを今作で用意している。(編集部・井本早紀)

『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』は全国公開中