お笑い芸人のアキラ100%が4日、池袋シネマ・ロサで行われた映画『ゆらり』初日舞台あいさつにスーツ姿で来場、ブレーク前から役者として舞台に起用してくれた劇作家・西条みつとしに感謝の手紙を読み上げた。また、本作撮影後に出演者の遠藤久美子と結婚した横尾初喜監督からは、遠藤に手紙をプレゼント、遠藤が感激の涙を見せるひと幕もあった。

 西条率いる劇団TAIYO MAGIC FILMの代表作と名高い同名舞台を映画化した本作。現在、未来、過去の三部から成る複数の家族が織りなす感動的な物語を描き出す。脚本・原作を担当する西条は、劇作家、放送作家として活動する一方、齊藤工の初監督作品『blank13』や『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』などの脚本で知られる気鋭のクリエーターである。

 本作では、俳優・大橋彰として出演を果たしているアキラ100%だが、2015年の舞台版では、メインキャストを務めていた。そこでアキラは、芸人ブレーク前から目をかけてくれた西条への感謝の気持ちを手紙に託すことに。「西条さん、『ゆらり』公開おめでとうございます」という書き出しから始まったその手紙は、「西条さんがうちの事務所のネタ見せ作家をしていただいているご縁で、舞台に出ないかと誘っていただいたのが、舞台出演へのきっかけでした」と西条との出会いを述懐。

 さらに手紙は「舞台のけいこで印象的だったのが、細部にまでこだわり、本番ギリギリまで、いい方法を探すという姿勢です」と続いており、「声をかけていただいた当時はコンビを解散し、ピンになってもなかなかいいネタができなくて悩んでいた時だったので、ここまでこだわらなければいいものはできないんだと勉強になりました。あのとき声をかけてもらえなかったら、今の自分はなかったと思います」と西条への感謝の思いをせつせつと読みあげるアキラ。そして最後にその手紙は「これからもたくさんすてきな作品を作られると思いますが、自分も西条さんの背中を追いかけます。最後にこれだけ言わせてください。忙しくてもちゃんと食べて、ちゃんと寝てください。大橋彰」という言葉で締めくくられた。

 そんなアキラを笑顔で見守っていた西条は「恥ずかしいですね」と照れながらも、「本当にアキラがテレビで活躍する前から一緒にやっていたので。テレビで売れたときはすごくうれしかったし、また映画に出てもらえたのもすごくうれしかった」とメッセージ。ちなみにアキラが「R-1ぐらんぷり2017」で優勝し、ブレークを果たしたのは、本作撮影後のことだったそうで、横尾初喜監督も「僕はずっと舞台で拝見してきて、すてきな役者さんだなと思っていたんで、テレビで裸で出てきたときはびっくりしました」と笑っていた。

 一方、横尾監督は、本作撮影後に結婚し、第一子をさずかった妻で女優の遠藤久美子に手紙を読むこととなった。「去年の夏、サプライズのプロポーズで手紙を読んでから2度目の手紙ですね……」という書き出しを聞くやいなや、見る見るうちに涙があふれだし「あ! ちょっと待ってください! ああ、どうしよう……」とうろたえる遠藤。そんな妻にやさしく語りかけるように「その時から家族も増え、毎日楽しく過ごせていることは本当に久美のおかげです。感謝しています。この物語のテーマである後悔のない人生をこれからもたくさん、会話をしながら過ごしていきましょう。これからもよろしくお願いします」と手紙を読み上げる横尾監督だった。

 夫の言葉に涙をぬぐっていた遠藤は、「いまの文章、単語だけでなく、その奥にある主人の心が伝わってきて……」と感激の表情。「主人と出会ってから人生が大きく変わりました。撮影中は未婚でしたが、公開を迎えたときは一児の母になって。母になって、親が子を思う気持ちみたいなものが分かるようになりました。この作品には、主人の思いがたくさん詰まっています。わたしはこの作品とともに、母親として育っていくんじゃないかと思います。親子とは何かを学ばせていただきました」と誇らしげな顔を見せた。この日の舞台あいさつには岡野真也、萩原みのり、高橋幸聖、鶴田真由らも出席した。(取材・文:壬生智裕)

映画『ゆらり』は池袋シネマ・ロサほか全国順次公開中