映画『オルランド』『耳に残るは君の歌声』のサリー・ポッター監督が、新作『ザ・パーティー(原題) / The Party』について、パトリシア・クラークソン、エミリー・モーティマーと共に、2月12日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。

 ロンドンのとあるタウンハウス(共同住宅)が舞台の本作。ジャネット(クリスティン・スコット・トーマス)とその夫ビル(ティモシー・スポール)は、彼女の昇進祝いのパーティーを開き、そこにさまざまな事情を抱えたゲストたちが集まるが、彼らの信頼関係が崩れていく出来事が起き……。

 これまでコメディーを手掛けてこなかったポッター監督。今作を製作したきっかけを「現在、わたしたちは(国際政治の中で)緊張感のある時を生きていて、より笑いという医薬が必要だと思ったの」と話す。続けて、「だから、笑いを表現すると同時に、シリアスな題材にも取り組んでいるわ。コメディーの中に悲劇も含めているのよ」と説明した。

 本作を「無秩序で、ワイルドで、完全に他のどんな作品とも異なっている」と語るエミリーは、「脚本を読んでいる時も、実際に演じている時も楽しかったわ。今作は12日間で撮影したけれど、そんな大混乱の中でもヘビーな題材に取り組めているのは良いことよね。サリーは、わたしたちの日々の政治を背景にしながら、キャラクターに光を当て、彼らが考える政治、人生、死、誕生、愛などの全ての滑稽さを描いているのよ」と語った。また、彼女が今作の脚本を最初に読んだ時は、まだBrexit(英国のEU離脱)やトランプ大統領選当選前だったそうで、それだけに、今作の鑑賞の必要性を強く感じたとも明かした。

 パトリシアはポッター監督について、「今作に関わった俳優のほとんどは、長い経歴を持ち、さまざまな作品に出演してきたけれど、彼女はわたしたち一人一人を、俳優として新たな局面に導いてくれた気がするわ。それは非常に稀(まれ)なことよ。幸運にもわたしたちのほとんどが、自身のキャリアにおいてあらゆることを試みてきたからよね」と語り、自分以外の俳優陣のそれぞれの演技が、これまでとは全く異なって見えたことも強調した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)