世界中に多くのファンを持つ1999年の沖浦啓之監督による長編アニメーション映画『人狼 JIN-RO』を実写でリメイクした韓国のサスペンスアクション『人狼(原題の日本語訳)』の制作報告会見を18日にソウル市内の映画館を実施。メガホンを取ったキム・ジウン監督をはじめ、カン・ドンウォン、ハン・ヒョジュ、チョン・ウソン、キム・ムヨル、ミンホ(SHINee)ら主要キャストが出席した。

 アニメ版は戦後の日本が舞台だったのに対し、実写版は南北統一を控えた近未来の韓国。ジウン監督は2029年に設定した理由を以下のように語る。「韓国は北朝鮮と対峙する世界唯一の分断国家です。ある意味、南北統一を控えた混沌の時代というのはSFとして成立するのではないかと。とはいえ、現在を基準に未来を予測せねばならず、それが10年後であれば現実味があると考えました」と説明したが、シナリオ執筆当時は昨今の南北関係の進展を予想しておらず、韓国、北朝鮮を巡る現在の状況に驚いているという。

 実写版と原作アニメとの違いについてジウン監督はこうもアピールする。「原作には独歩的なムード、虚無的な世界観があります。原作にはない拳での殴り合いなどアクションを追加した部分もありますが、実写というフィルターを通して自分のスタイルの答案を出した気持ちです」

 ドンウォンが演じる主人公は、反統一武装テロ組織「セクト」に対抗する組織・大統領直属警察機関「特機隊」の隊員イム・ジュンギョン。目の前でセクトの少女闘士が爆死する姿を目撃したトラウマを抱え、少女の遺品を姉のユニ(ハン・ヒョジュ)に届けたことが縁で、彼女と惹かれ合っていくという設定だ。

 ドンウォンは「『人狼』出演の話は2011年頃にいただきました。興味深い映画だったのでOKしたのですが、クランクインまでに6年かかりました」と笑い混じりに語りつつも、いざ撮影に入ると監督のスパルタぶりに戸惑いがあったという。「特機隊の強化服だけで30キロもあり、武装を含めると40キロ近くになります。最初は動くだけでも大変だったのですが、一週間もすると慣れてきて、僕が動けるとわかると『武装したまま走れ』と言われたり、ジウン監督の要求がエスカレートしてきて……」と重い衣装を身に着けて動くことの困難さを振り返った。

 これに対しジウン監督は「言った通りに演じてくれるから、要求しただけです。本当はジャンプするシーンも考えていたのですが、さすがにそれは危ないからやめました」と裏話を暴露すると、ドンウォンは苦笑いするしかなかった。(取材・文:土田真樹)
 
映画『人狼』は、7月25日より韓国で公開