ジャルジャルの福徳秀介さんの初めての小説「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(小学館)が11月発売され、新年に向け好調な売れ行きだ。昨年9月には「キング・オブ・コント」で「13年目の優勝」を飾っており、今年は「お笑い芸人と小説家」の二刀流の切れ味が期待される。

「ボクの4年間の結晶です」と話す福徳さん

福徳さんは関西大学文学部卒。同期生の後藤淳平さんと2003年コンビを組み、若手漫才師として活躍中。小説は当初昨年5月に発売予定だったが、コロナ禍の影響で延期された。発売直前の昨年10月下旬に母校を訪ね、オンラインによる学園祭の番組に出演。前田裕学長らと対談し、これまでの読書歴や作品作りの苦労話などを話した。
それによると、もともと読書は好きで中学生の時に恋愛小説にはまったという。ストーリーが気に入ると何度も読み返し、文章を書くのも好きだった。

今回の作品は4年間過ごした関大を舞台にした青春小説。大教室の授業風景やキャンパスに点在する学生食堂、図書館、桜の並木道などを織り込みながら、いささか不器用な「僕」が恋をし意外な結末を迎えるというストーリーだ。
大学4年間の様々な経験や出来事から今回の小説を紡ぎだした、といい、初めの2年で何とか書き上げたという。しかしその後出会った小学館の編集者から「千本ノック」というほど厳しいアドバイスを受け、書き直しにさらに2年かかった。「考えてみたら初めの作品の筋書きの5%くらいしか残っていなかった」と話す。

関西大学では毎年「新入生に贈る100冊」を学長と大手書店が選定して学内で読書を薦めているといい、前田学長は自身が選ぶ2021年度の20冊に福徳さんの新刊を選択。「大学が舞台なので学生にとって読みやすい。ストーリーも起伏に富んでおり、本書をきっかけに読書に慣れてくれたら」と話している。