7回目の今回は、前回少し脱線させて頂いたレポートに引き続き、もう少し脱線してみようかと思います。お時間ある方はお付き合いください。
さて、タイトルの「農道のポルシェ」ですが、皆さんも言葉くらいは聞いたこともあるんじゃないでしょうか?そう、スバル謹製のRR・4独サス・4気筒エンジンのサンバーのことです。(現在はダイハツのOEM車となって”ただの軽トラ”になってしまいました・・・涙)
実は、私のセカンドカーはこの農道のポルシェなんです。通勤の都合で足車が必要になった際、前々から「工具類を片付けなさい!」と某奥方より厳しいご指導を受けていたこともあり(笑)、「走る倉庫」として購入しました。最近ホイールをBBSへ変更。スプリング交換で車高を下げてます。カワイイでしょ?
軽バン最大級の荷室。単身赴任の荷物も軽々です(笑) TV1という一番”素”のグレードです
このスバル謹製のサンバー。軽トラ界ではありえないくらいの異端児です。
リアマウントされたエンジン(運転席の静粛性、悪路でのトラクション能力の向上)、四輪独立懸架のサスペンション(ロードホールディング性能・乗り心地(荷物にも優しい)の向上)、4気筒エンジン(高回転域までスムーズで低振動な回転フィール)とどこを取っても実に個性的で凝りに凝った設計のクルマです。
サンバーが農道のポルシェといわれる最も大きな理由は”RR”という部分でしょうが(実は空荷での重量配分はほぼ50:50でBMWです(笑))、それ以外にも共通項があります。先ず足回りの構成です。フロントは911と同様のストラット式。しかもロアアームは相当長く、ストローク時のアライメント変化にも配慮されています。また、リアはこちらも930までの後ろ足とほぼ同様のセミトレ式で、ホイールベースに関しても圧倒的なショートホイールベース(1885ミリ!)です。更にエンジンの搭載方法にしても直列4気筒エンジンを真横にして低重心化を狙っています(もちろん荷室最大化を狙った副次的な物だと思いますが)。
これらの特徴によって、サンバーの乗り味はかなりポルシェ、しかも930までのオールド911に近いモノを感じることが出来ます。(荷物を積んで、リア荷重が増えると更にその感じが増します)
もちろん、絶対的な速度や各部の剛性感などはポルシェと似て非なるものですが、その運動特性はこれがなかなかどうして、共通のものを感じます。注:930とサンバーを保有するBBOCメンバーも同意見でしたので、そんなに間違ってはないかと・・・どうでしょう、このエンジン搭載位置の低さ。FLAT6にも負けてませんよ〜
ブレーキングではリアのブレーキもしっかり使って減速。ターンインはエンジンと荷台の荷物の振り子効果を使って短いホイールベースをクルリと鋭く回り込ませ、コーナー出口では抜群のトラクション能力で加速っ!(まぁ軽のエンジンですからフツーの加速というよりも相当に遅いですが・・・)
まさしく走らせ方はオールド911そのもの。常にアクセル全開で走っていても、ポルシェと違いほぼほぼ法定速度に収まっており安全にストレスなく通勤が楽しめます(笑)※シフトフィールに関しては930にも勝ってると思いますいい組み合わせだと思います、この2台。お試しあれ〜
なかなかスバル謹製のサンバーに触れる機会も少ないかと思いますが、一度乗ってみると病みつきになるような楽しさあふれる商用車です。(日本の三大「乗って楽しい商用車」の1台と思ってます、サンバーくん)
オールド空冷ポルシェの走りを疑似体感するには最も良い素材になるのではないでしょうか?ぜひ皆さんもチャンスがあれば乗ってみて、私の話が事実かどうか確認してみてください。
では、今回はこのあたりで失礼します。
次回はまた930ネタに戻る・・・と思います。