■燃費向上や排ガス低減、予防安全技術などのため、1台あたり150〜200個装着

●パワートレイン制御、車両制御、ボディ制御、情報通信制御の4分野の物理量および化学量を検知

クルマの燃費や排ガス、予防安全のための高度な制御は、状態の計測【センサー】と演算・判断【コンピューター】、動作【アクチュエータ】で構成されます。その中でもセンサーによる計測技術は、近年急速に進化しています。

エンジンと車両の制御のために採用されている各種センサーについて、概説していきます。

●センサーの検知対象

クルマに搭載されるセンサーは、燃費向上や排ガス低減、予防安全技術などの高度化に応えるため、1台あたり150〜200個程度装着されています。

検知対象は、物理量と化学量の多岐にわたります。

・流量:エアフロー、燃料

・温度:冷却水、潤滑オイル、吸気、排気、燃料、外気温

・圧力:吸入空気、燃料、過給、ブレーキ、タイヤ空気、コンプレッサー

・ガス:酸素、NOx、HCなどの排出ガス成分、アルコール

・速度:エンジン、トランスミッション、車速、車輪速

・加速度:エアバッグ、車両前後、サスペンション

・角度:クランクシャフト、カムシャフト、スロットル、操舵、方位

・角速度:ヨーレート、ロールオーバー、ナビ

・力、荷重:ブレーキペダル、操舵トルク、荷重

・振動:ノック

・光、電波、音波:レーザー、超音波、可視、赤外、日照、ライト、音声

●センサーの用途

センサーの使い方を制御システムで分けると、パワートレイン制御、車両制御、ボディ制御、情報通信制御の4分野です。

・パワートレイン制御

ガソリン噴射制御、直噴制御、点火制御、ノック制御、ディーゼル噴射制御、排ガス制御、トランスミッション制御、モーター制御、電池監視

・車両制御

ABS(アンチロック・ブレーキ)、ESC(横滑り防止)、トラクションコントロール、ACC(アダプティブクルーズ)、サスペンション制御

・ボディ制御

オートエアコン、エアバッグ、オートライト、オートワイパー

・情報通信制御

ナビゲーション、ナイトビジョン、前後方監視、ETC

●代表的なセンサー例

・基本的な物理情報を計測する流量センサー、温度センサー、圧力センサー

エアフローセンサーは、エンジンの吸入空気量を計測して、それに応じて適正な燃料量を供給して出力や燃費、排出ガスを制御します。

温度センサーと圧力センサーは、エンジンやトランスミッション、ブレーキなどクルマの基幹部品に使われ、さまざまなシステムの効率向上のための重要な制御因子として使われます。

ガソリンエンジンの各種センサー
ガソリンエンジンの各種センサー

・車両制御のための加速度センサー、回転速度センサー、ジャイロセンサー

衝突時の衝撃を加速度センサーで検出してエアバッグを展開します。

ABS(アンチロック・ブレーキ)、ESC(横滑り防止)など車両姿勢を適正に保つため、4輪それぞれの車輪速を計測する回転速度センサーやジャイロセンサーが使われます。

・運転支援や自動運転のための各種センサー

運転支援や自動運転のためには、クルマ周辺の状況を検知するため多くのセンサーが必要です。

近距離の障害物を検知する超音波センサーや障害物の形状を認識できるカメラ、長距離の障害物が検出できるミリ波レーダー、夜間に強い赤外線カメラ、全周囲の3次元検出ができる次世代センサーのLiDARなどが採用されています。

さらに高度な運転支援や自動運転を実現するため、センシング技術の進化に大きな期待がかかっています。

運転支援のための各種センサー
運転支援のための各種センサー

センサーは、人間の五感の働きのようにさまざまな情報を収集して、ECUに送ります。多くのセンサーの信号があるからこそ、高度な制御技術を実現できます。特に運転支援技術、自動運転技術は、センサーの進化と密接に関係しています。

本章では、クルマの制御を支える各種のセンサーについて、詳細に解説していきます。

(Mr.ソラン)