■ほとんどはメンテナンス不良に起因しており、多くのトラブルは回避可能

●走行不能になるエンジンやタイヤのトラブルについては安全退避が第一

バイクのトラブルには偶発的な事例もありますが、基本的には必ずバイク側に原因があります。エンジンが始動しづらいとか、加速が鈍いといった性能や機能が低下する場合と、完全に機能が消失する場合があり、対応が異なります。

様々なトラブルを個別に解説しますが、ここではトラブル全般について概説します。

●始動不良

始動不良には様々な症状があり、セルが回らない、セルは回るが爆発しない、爆発が不規則で始動できない、始動はできるがアイドルが維持できずにすぐにエンストするという現象に分けられます。

それぞれの症状で原因は異なりますが、大まかにはバッテリが上がっている、セルの故障、適正なガソリンと吸気が供給できていない、適正な火花が飛んでないというのが主な原因です。

●アイドル不調

アイドル不調は、何らかの原因で吸気量やガソリン量が変動したり、点火不良などの影響を受けて回転が安定しない現象です。回転変動が大きいと、エンストする場合もあります。

アイドルが不調になる原因としては、キャブレターや噴射装置の不具合によるガソリン供給不良、点火火花のエネルギー低下、吸気量の変動などがあります。

●オーバーヒート

オーバーヒートの原因
オーバーヒートの原因

オーバーヒートは、冷却水が沸騰したり、エンジン各部の温度が許容温度を超えてしまう現象です。原因としては、水冷エンジンでは冷却水不足、ラジエターの機能不良、ウォーターポンプの作動不良、サーモスイッチの温度検出不良など、空冷エンジンでは酷暑で登坂走行などの運転を続ける、また潤滑オイル不足などです。

●シミー現象

シミー現象
シミー現象

シミー現象は、走行中に何らかの原因でフロントタイヤと車体が振動して、結果としてハンドルが小刻みに振動して操縦が不安定になる不具合です。基本的にはタイヤとホイールに関わる不具合で、タイヤの空気圧不足やパンク、タイヤの偏摩耗、ホイールバランスの狂い、路面との共振などが主要な原因です。

●バッテリー上がり

バイク、自動車ともトラブルでもっとも多いのが、バッテリー上がりです。バッテリーが上がると、セルが回らない、あるいはクランキング回転が下がるので始動不良になります。走行中に起こると、点火や燃料噴射装置が作動しなくなり、エンジンが停止して走行不能になります。

原因としては、バッテリー自体の劣化や寿命、オルタネーターまたは充電システムの機能不良が考えられます。バイクは使用頻度が低く、特に冬季に使わないことが多いことから自然劣化が進むため、自動車よりバッテリーが上がりやすい傾向にあります。

●白煙と黒煙

オイル上がりとオイル下がり
オイル上がりとオイル下がり

白煙は、オイル上がりとオイル下がりによってエンジンオイルが燃焼室に侵入して燃焼することで発生します。オイルは、揮発性が悪く燃焼しづらいため、一部が未燃のまま白煙として排出されます。

また黒煙は、何らかの原因でシリンダー内の混合気が設定空燃比より濃い(燃料が多い)場合に発生します。濃い空燃比で燃焼すると、酸素不足で燃焼しきれなかったガソリンの一部が炭素微粒子(黒煙)となって排出されます。

●バースト

スタンディングウェーブ現象とバースト
スタンディングウェーブ現象とバースト

バーストは、走行中に突然タイヤが破裂して一気に空気が抜けて走行不能となるトラブルです。主な原因としては、タイヤの摩耗や劣化、空気圧不足、過積載などがあります。

走行中に突然バーストが起こると、ハンドルを取られて非常に危険です。発生したら、まずはできるだけハンドルを切らずにまっすぐ進み、緩やかにブレーキをかけて減速します。車速が下がったら、周囲の安全を確認しながら路肩のような安全な場所に移動して停止します。


トラブルを回避するには、常日頃の点検とメンテナンスが重要です。本章では、バイクで発生する故障やトラブルについて、詳細に解説していきます。

(Mr.ソラン)