■走行距離250万kmという超過酷なテストを行い開発中!

●120年の時を超え、ロールス・ロイスも電動化へ

2021年9月29日、イギリスの高級車ブランドであるロールス・ローイス・モーター・カーズはブランド初の電気自動車(EV)を、2023年の第4四半期に市場投入予定と発表しました。

ロールスロイススペクター外観01
ロールス・ロイススペクターのフロントスタイル。

そのクルマの名前は「スペクター」で、コンセプトカーではなく市販車となっています。まだカモフラージュされていますが、その姿が明らかになりました。

そのスタイリングから2ドアクーペのレイスに代わって登場するニューモデルと考えられます。

創業者のチャールズ・ロールズは1900年に「コロンビア」と名付けられた初期のEVを体験し、電気駆動こそが理想であると公言していました。

さらに、ロールズは「EVは音もなくクリーンな乗り物。匂いもせず、振動もない。定置式の充電ステーションが整備されれば、とても便利になるはずです」と述べています。

ロールスロイススペクター外観03
ロールス・ロイススペクターのサイドビュー。

それから、100年以上経った現在、ロールス・ロイスは世界的なEVへの変革を後押しするため、最も洗練された超高級車を生み出そうとしているのです。

すでにロールス・ロイスは電動パワートレインの実験を行っていて、2011年には完全に運行可能なオール・エレクトリック・ファントム「102EX」を公開。さらに2016年には「103EX」を発表し、未来に向けたビジョンを明らかにしています。

現在スペクターはロールス・ロイスの歴史上で最も厳しいテストプログラムを実行中です。それは250万kmもの距離を走行予定で、ロールス・ロイスを400年以上使用することを想定した数値となっています。

世界のあらゆる場所でスペクターをテストし、極限まで性能を追求する予定です。

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ロールス・ロイススペクターのリアスタイル。

今のところわかっていることは、スペクターがファントムに採用されているアルミニウム・アーキテクチャーをベースに製作されていることだけですが、今後徐々に発表されていくかもしれません。

ロールス・ロイスのような超プレミアムブランドまでが、BEVへ舵を切り始めました。そして、2030年までにすべての製品を完全に電動化をするという目標を掲げていて、内燃機関を搭載する商品の製造・販売から撤退する予定となっています。

本当にあと約9年でクルマのパワートレインは劇的に変わるのでしょうか。どんな技術的なブレイクスルーが起きるのか、興味が尽きません。

(文:萩原 文博/写真:ロールス・ロイス・モーター・カーズ)