■「すべての想像を超えていく」メルセデス・ベンツ新型Cクラス

●車内スペースも期待通りに進化

新型メルセデス・ベンツ Cクラス
新型メルセデス・ベンツ Cクラスをモータージャーナリスト・飯田裕子さんがチェック!

メルセデス・ベンツと言えば、そのエンブレムに象徴されるスリーポインテッドスターに憧れを抱く方も少なくないのではないでしょうか。

たとえば、三方に延びる一辺一辺をメルセデスを支えるモデルに例えるなら、そのCクラスがその一辺であるのは間違いなし。金星級の不動の支持を得ているモデルと言っても過言ではありません。

そんなCクラスがフルモデルチェンジを果たし、日本でも発売がスタート。毎度、その新しさや進化ぶりに驚かされるわけですが、今回も「すべての想像を超えていく」という新型Cクラスのキャッチフレーズは、決して大袈裟と言うわけではなさそうです。

新型メルセデス・ベンツ Cクラス フロントビュー 新型メルセデス・ベンツ Cクラス リヤビュー 新型メルセデス・ベンツ Cクラス サイドビュー 新型メルセデス・ベンツ Cクラス フェイス 新型メルセデス・ベンツ Cクラス ヒップ

新型のボディサイズは全長4785mm×全幅1820mm×全高1435mm。これは先代に対し全長が+80mm、全幅が+10mm、全高は+5mm。ホイールベースは+25mm。全長の延長はホイールベースの+25mmにも繋がり、真横からの眺めは頼もしいまでの佇まい。その上方に目をやれば緩やかに伸びやかに弧を描くルーフライン。続いて一見、薄く見えるサイドウインドウ、そして豊かなボリュームと張り感が美しいボディパネルも相まって、ますます増すセダンの風格とスポーティさのバランスが老若男女の共感が得られそう。

新型Cクラスのトランク部 新型Cクラスのトランク部 新型Cクラスのトランク部 新型Cクラスのトランク部

この延長で取り回しが気になる方にとっては、リア・アクスルステアリング(オプション)のサポートが心強く(最小回転半径5.0m)、未装着でも先代より小回りな5.2mと、そもそも優秀です。リア・アクスルステアリングの効果は小回りだけでなく他にもありますので、のちほど紹介します。

新型メルセデス・ベンツ Cクラス リヤシート
リヤに座ったスペース、快適です

ホイールベースの延長分は室内の、とりわけリヤシートの足元スペース+21mmに貢献。もしも一昔前のCクラスの後席スペースがネガと未だに思われている方は、ココでイメージをリセットされてはいかがでしょうか。

AMGライン
AMGラインのグリルデザイン

さらにもう一つ、個人的な新型Cクラスのデザインで気分が上がったポイントが、新しいグリルのデザイン、「スターパターングリル」。これはAMGライン専用だそうですが、小さなスリーポインテッドスターが散りばめられたグリルに、メルセデスらしいデザインの個性が光っています。

新型Cクラスのコクピット
新型Cクラスのコクピット

運転席に座ると、センターコンソールから反り上がるようにして鎮座する11.9インチのメディアディスプレイや、12.3インチのコクピットディスプレイ、操作性にも優れ機能的な配置も特徴のスイッチを配するステアリング、タッチセンサー式のシート操作スイッチ、生体認証(指紋/声)対応の最新のMBUXなど、新型Sクラスにも採用されるアイテムがこの新型Cクラスにも採用されています。

でも、だから凄いというだけではないのですよね。このCクラスにメルセデスの進むデジタル化の最新装備が採用されていることと、デジタルとアナログ、デジタルの中に安心感とともに採り入れられているアナログ感覚の融合、造形物のクオリティの高さとその使いやすさにも質の高さが感じられる装備の採用が、新型Cクラスのインテリアデザインと快適な空間を生み出せているからこそ、「いいね!」となるわけです。

11.9インチのメディアディスプレイ 12.3インチのコクピットディスプレイ 12.3インチのコクピットディスプレイ 12.3インチのコクピットディスプレイ 12.3インチのコクピットディスプレイ 12.3インチのコクピットディスプレイ

●ISG搭載のマイルドハイブリッド

新型Cクラスのエンジン
直列4気筒1.5Lターボチャージャー

パワートレインのラインナップは、新開発の直列4気筒1.5Lターボチャージャー(204ps/300Nm)のガソリン車と、直列4気筒2Lターボチャージャー(200ps/440Nm)のディーゼル車の2タイプ。トランスミッションはどちらにも9ATが組み合わされ、後輪駆動モデルから販売をスタートさせたようです。

また、これらのエンジン全てに第2世代のISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)+48V電装システム=マイルドハイブリッドが組み合わされます。ISGをエンジンとトランスミッションの間に配し、20ps/200Nmのブースト(加速)、回生ブレーキやコースティング(惰性走行)が可能。加速性能を向上させ、燃費性能とより高い両立を計られているのです。

●ホイールベースが伸びてもリア・アクスルステアリングで取り回しは楽チン!

今回は、1.5Lガソリンエンジンを搭載するC200アヴァンギャルドにスターパターングリルが輝くAMGライン、リア・アクセルステアリングなどがオプション装備されたモデルを試乗。

新型Cクラスの走り
発進した瞬間からCクラス以上の走りが感じられます

試乗会のベースとなった箱根のホテルから、ドライブモードをコンフォートモードでスタート。試乗を始めると、ドライバーの意図した最適な発進加速から、一般道でのスムースな速度への繋がりもいい。変速ショックもなく、キレイな加減速をしてくれます。特にワインディングの上り坂でのコーナーなどでアクセルを緩め、再び踏み込んで加速するような場面での自然な加速感と変速の繋がりの良さに、洗練ぶりを感じることができました。

そんな、動力とバランスのとれたフラットでスッキリとした乗り心地。そして、とにかくコーナーでクルマが自然でスムーズに、心地よくクルマが曲ってくれるところがいいのです。幾重にか続くコーナーでは、まるでダンスを踊っているような気分だったと言っても大袈裟ではなかったんです。

タイヤサイズは、フロント225/50R17(AMGラインは225/45R18)、リヤ225/50R17(AMGラインは245/40R18)

この運動性能は、ごくごく普通にワインディングを走行する上でも運転操作のサポーターとして安心で頼もしい。これは「リア・アクスルステアリング」の効果も大きそうです。この技術は約60km/h以下ではリアタイヤをフロントタイヤと逆方向に傾け(最大2.5度)、約60km/hを超えるとリヤタイヤはフロントタイヤと同じ方向に操舵してくれるというもの。

街中での車庫入れや路地、そして郊外のワインディング路では小回り性能やハンドリング性能に貢献。一方、高速走行では走行安定性を高めるこの技術、その自然な制御ぶりに備わっていることを忘れそうなほどです。

スポーツモードではハンドルの操舵感に重みが増し、動力のマネージメントも積極的にタイヤに力強い駆動を与える方向に変わり、走行に厚みが増すような印象に変わります。特にワインディング走行時には、このステアリングフィール(重めの操舵)は欲しい。そんなドライバーのためにドライブモードにはカスタマイズモードも用意されています。

新型メルセデス・ベンツ Cクラス
新型メルセデス・ベンツ Cクラス

しいて言えば、低速から停止に至るブレーキコントロールのナーバスさ、“段差”と認識できるような路面で足元がゴツッとくる場面あり。段差ショックはCクラスに限った事象ではないけれど、メルセデスの新型Cクラスの確実な進化ぶりと、そもそもの期待値からするとココはぜひ、お近くのディーラーで身近な道路で試乗して確認してみることをおすすめします。

新型Cクラス✕飯田裕子
新型メルセデス・ベンツ Cクラス✕飯田裕子

新型Cクラスは、後席のスペースも、拡大した日本の道路ではギリギリ最適サイズ(サイズのわりに小回りなところは強みです)と言える上質なセダン。MBUXというメルセデス最先端のデジタル技術、新機能も追加されたインテリジェントドライブシステム(運転支援技術)も併せ、主力モデルという不動の金星ぶりの輝きは全方位で増していると言えそうです。

(試乗・文:飯田 裕子/写真:小林 和久)

新型メルセデス・ベンツ Cクラス
新型メルセデス・ベンツ Cクラスの主なスペック

◼SPECIFICATIONS ※欧州参考値
車名:メルセデス・ベンツ Cクラス アヴァンギャルド[( )内はAMGライン]
全長×全幅×全高:4751(4793)×1820×1438(1446)mm
ホイールベース:2865mm
エンジン:M254 DOHC 直4ターボ
排気量:1496cc
ボア×ストローク:78.0×78.3mm
圧縮比:10.5
最高出力:150kW(204ps)/5800〜6100rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1800〜4000rpm
駆動方式:FR
トランスミッション:電子制御9速AT
ブレーキ F/R共:ベンチレーテッドディスク
タイヤ F/R:225/50R17(225/45R18)/225/50R17(245/40R18)
乗車定員:5名
車両価格(税込):6,510,000円