スバルの伝統を受け継ぐスポーツツアラー「レヴォーグ」が、ビッグマイナーチェンジ。スバリスト的には「アプライドD」と呼ぶモデルへと進化しています。

大きな進化ポイントは、0〜120km/hでの車線維持ステアリング操作を含めた追従クルーズコントロール機能である「アイサイト・ツーリングアシスト」を標準装備したこと。

ドライバーファーストの思想を持つスバルとしては運転支援技術と表現していますが、いわゆる自動運転技術でいうとレベル2に相当する量産モデルとしては高いレベルを実現しています。

そのほか、後退時に超音波ソナーで後方の障害物を検知、接近レベルを知らせると同時にドライバーがブレーキ操作をしない場合には自動ブレーキをかける機能も新設定。さらにフロントグリルにインストールしたカメラによって塀などで左右が見えない交差点で歩行者や接近車両をモニターする機能も備えました。

いずれの安全装備も体感することができましたが、ヒューマンエラーを防いでくれるメカニズムであることを実感。とくに5.9インチに拡大したマルチファンクションディスプレイに表示されるフロントビューモニターは、目視では見えない部分をカバーしてくれるだけに交差点での出合い頭事故を減らしてくれることが容易に想像できる、リアルワールドで日常的に役立つ安全運転支援機能と感じさせられます。

そして、アプライドDになったレヴォーグの進化は万が一をカバーする安全性能だけではありません。走っても進化を感じられるのです。

1.6リッター、2.0リッターの水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載するというラインナップは従来通り。1.6リッターエンジンについてはインジェクターの制御を変更したほか、ピストンやコンロッドの形状まで見直したというほどの進化を遂げています。1.6リッターエンジンに組み合わせられるCVTにもオートステップ変速を採用することで、加速と音のリニア感を演出したのもアプライドDの変更点です。

さらに「運転の愉しさ」をキーワードに、シャシー全般も変更を受けています。具体的には「上質な乗り心地」、「舵の正確性」、「静粛性のアップ」を狙っています。

とくに1.6リッター車については、前後ともにストロークを伸ばし、バネレートを下げています。これにより、従来より車高が10mm上がっているほどです。また、2.0リッター車も含めて、フロント・サスペンションアームのピロボールをゴムブッシュ化、リア・スタビライザーの小径化などによりしなやかな足回りとしています。

電動パワーステアリングについてはユニットを新しくしているほか、セルフアライニングトルク(ステアリングが自然に戻ろうとする力)を考慮した新制御を入れることで愉しさを演出しているということです。

残念ながら変更点の多い1.6リッター車には乗ることができませんでしたが、2.0リッター車をクローズドコースで試乗したところ、もっとも印象的だったのは静粛性の向上でした。

ステーションワゴンというボディ形状から、どうしてもラゲッジルーム由来のノイズは気になる傾向にありますが、ドアガラスやリアゲートガラスの板厚アップやリアドア用ウェザーストリップの二重化、荷室周りの吸音材追加といった変更により、キャビンの静粛性はワンランク上がったように感じます。

ストロークを稼いだサスペンションのおかげもあって、タイヤが路面を捉えている領域が長く、ポンポンと跳ねるようなノイズが入ってくるケースもかなり減っています。また、新制御を与えられたパワーステアリングは、速度域に関わらずスムースネスを増しているように感じます。けっして劇的に改善したというわけではありませんが、旧型オーナーが乗り比べればすぐに違いを感じられる程度には進化しているといえそうです。

そのほか、コクピットではフル乗車や荷物満載状態でも後方視界を確保する「スマートリヤビューミラー」が新設定されたのもアプライドDの特徴。リアゲートに置かれたカメラからの映像をルームミラー部分に映し出すというもので、通常のミラーでは死角になる部分もカバーしてくれます。

新採用されたAVH(オートビークルホールド)は停止時にブレーキペダルから足を離しても停止状態を維持してくれるもの。いまや、プレミアムクラスには必須といえる機能をマイナーチェンジによって手に入れたというわけです。

様々な荷物を積めることはステーションワゴンとしては重要な機能ですが、今回のマイナーチェンジにより、後席が4:2:4の3分割タイプとなったのもニュース。これにより、長尺物+4名乗車といった使い方ができるようになりました。また、リアシートにはたたむときの動きを抑制するダンパー機構も搭載することで、後席をアレンジするときに手を挟んで痛い思いをすることも減っています。

外観ではLEDヘッドランプ&フォグランプの採用、シャープな意匠のヘキサゴングリル、ワイド感を強調する新デザインのフロントバンパー、そしてダイナミックな造形の18インチホイールといったところが変更点。従来モデルの方向性を否定することなく、正常進化させたアピアランスに仕上がっています。

このように、大幅改良を受けたD型レヴォーグの発売日は2017年8月7日。メーカー希望小売価格は、2,829,600円〜4,050,000円(消費税込)です。

■スバル・レヴォーグ2.0GT-S EyeSight主要スペック
車両型式:DBA-VMG
全長:4690mm
全幅:1780mm
全高:1490mm
ホイールベース:2650mm
車両重量:1570kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FA20
エンジン形式:水平対向4気筒直噴ターボ
総排気量:1998cc
最高出力:221kW(300PS)/5600rpm
最大トルク:400Nm(40.8kg-m)/2000-4800rpm
変速装置:CVT(マニュアルモード付)
燃料消費率:13.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/45R18
メーカー希望小売価格(税込):3,618,000円

(写真:SUBARU 文:山本晋也)