フルモデルチェンジによって10代目に移行したトヨタのカムリ。プリウスから始まったTNGAをプラットフォームのみならず、エンジンその他すべてに盛り込んだフルTNGA仕様となっています。

カムリはハイブリッドのみの設定。搭載されるパワーユニットは、エンジンが178馬力/221Nm、モーターが120馬力/202Nm。もちろんモーターのみで走るEVモードも備えていて、このモードを選べばスタートからスーッと静かに発進します。

素晴らしいのはエンジンが始動したとき。エンジンが始動したことをほとんど感じさせない静粛性で、段付き感もなくエンジン&モーターの走行へと移行。

パワーユニットが作り出すトルク感は上質で、3.5リットルV6エンジンを余裕を持って使っているような印象。カムリはアクセルペダルにオルガンペダルを使っているので、アクセルペダルの動きそのものがストレスなくスムーズに使えるのも、この走りを生み出している大きな要因といえます。

コーナーリング性能は高く、ステアリングの微少舵角からしっかりとクルマが動きだす俊敏さを持っています。コーナリングフォースの立ち上がりにカドがなく、スムーズに曲がり始めますが、その後の力強いグリップ感はミドルセダンらしいしっかりしたもの。スポーティでありながら軽薄さはなく、重厚さにあふれています。

フラットライドを基本とした乗り心地も、セダンに求められる要件を十分に確保。細かい振動から大きな段差乗り越えのショックまで上手に押さえ込んでいます。

ただ、グレードによって乗り心地には大きな差があり、ミシュラン・プライマシーを履く17インチはきわめて静かで快適性が高いのですが、ブリヂストン・トランザを履く18インチは高周波ノイズが目立つ傾向。またステアリングの手応えのリニア感も17インチのほうが高かったです。

 

(諸星陽一)