「レンジローバー」シリーズの最上級モデルであるレンジローバーにも、3.0L V6のディーゼルターボが2017年モデルから追加されています。

「砂漠のロールス・ロイス」ともいわれてきたレンジローバーは、いまやオンロードでも究極ともいえる滑らかな乗り味を提供してくれます。

高い目線で周囲を見渡しながら、英国の王室、あるいは中東の王族気分を味わえる!? レンジローバー。レンジローバー・スポーツのより攻撃的な走りも捨てがたい魅力がありますが、王者はやはりレンジローバーではないでしょうか。

SUVの王者にディーゼルエンジンの組み合わせはどうなんだろう?、という疑問が浮かびますが、試乗車の「レンジローバー・オートバイオグラフィー」で走り出すと新型ディスカバリー、そしてレンジローバー・スポーツ以上に下界と断絶されたような、圧倒的な静粛性の高さに包まれます。

モーター駆動のEVよう、というと大げさすぎるかもしれませんが、8ATとの組み合わせにより超スムーズといえる走る姿は、高級SUVでも遮音と吸音対策が施されれば相性に問題ないことが分かります。それどころかトルクフルなディーゼルエンジンはヘビー級の大型SUVとのマッチングはむしろ良好。

そうは言っても、2.4t級の重量級ボディということもあって、回していくと258psという最高出力はこんなものかな、という妥当なパワー感にとどまります。また、600Nmもの最大トルクはオフロード走行も考慮されているのか、踏み始めは、驚くほど力強い走りを見せつけるようなセッティングではありません。踏めば踏んだ分だけ柔軟に十分な加速感をもって応えてくれるそんなフィーリングです。

身上である上質な乗り心地、「これぞコマンドポジション」といえる前方の見切り、視界の良さ、これらも含めたボディコントロールのしやすさも相変わらず不変。なお、試乗車のタイヤは、グッドイヤー「イーグルF1」のM+Sタイヤでサイズは275/45R21。

3.0L V6スーパーチャージャーの軽快感のある走り、5.0L V8スーパーチャージャーの豪快な加速感も大きな魅力ですが、航続可能距離の長さなども加味して3.0L V6ディーゼルターボを選んでも高い満足感に浸れるはずです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)