ついに登場しましたね。新しいスイフトスポーツ。略して「スイスポ」と呼んだほうがしっくりくるのでここでもそう呼びましょう。

スズキの人の前でこんなことを言ったら露骨に嫌な顔をされそうなのでこっそり書きますが、新しいスイスポって牛丼みたいじゃないですか。あの有名なキャッチフレーズの「はやい、うまい、安い」ってやつです。

まずは「はやい」。だって、今度のスイフトはターボエンジンですよ。

排気量が小さくなったのでパワーこそ先代と4psしかかわらない140psですが、トルクは230Nmと先代(160Nm)の約1.5倍。先代ってトルク不足でしたっけ? いやそんなことないですよね。じゃあトルクが約1.5倍にまで増えた結果、走りが力強くなるのは乗らなくたって想像できる。最大トルク発生回転数だって低いし。これは期待しないわけにはいかないでしょ。

自然吸気エンジンならではの拭け上がりの良さが失われてしまったんじゃないか、って?

その心配は杞憂です。だって、スイスポって先代だってそれほど高回転が気持ちよかったわけではないですからね。だから新型になってターボ化されたことのデメリットはないといっていいんですってば。

重くなったんじゃないかって? それは大丈夫。ターボが付いたにもかかわらずエンジンは1.6L自然吸気の先代より軽いんだから。凄いなスズキ。

参考までに加速タイムを先代に比べると、MT車の場合0-100kmは約20%向上、40-80km/hの追い越し加速は驚くことに約50%も向上。そんなに速くて、自然吸気エンジンを積むライバル勢はいったいどうするの?

ちなみにこのターボエンジン、先日エスクードに追加されたものと基本は同じユニットですがスイスポのキャラクターに合わせてよりスポーティにチューニングしてありますよ。出力も上がっているし、ガソリンもハイオク仕様になっていますからね。

さて「うまい」にいきますよ。

新型スイフトの凄さのなかでも最大といえるのは車両重量。なんと1トン切りを達成し、MT車は970キロ、AT車でも990キロに収まっているんだから驚かないわけにはいかない。いちばん効いているのはプラットフォームを新設計かな。

それがどう「うまい」につながるかといえば、走りに決まっているじゃないですか。

運動性能、すなわちコーナリングも減速も、クルマは軽いに越したことがないのは常識。新型スイスポはまだ試乗していいからあんまり大きなことは言えないけれど、旧型の出来の良さから考えれば走って楽しいのは間違いないでしょ。絶対楽しいって! だって旧型よりも軽いんですからね。

そもそもこのスイフトは、スズキのなかでもっともスポーティなモデル。普通車では唯一のスポーツカーと言ってもいいでしょう。

そんなスイフトですよ。スズキが気合を入れて運動性能を磨いてくるに決まっているじゃないですか。だから「うまい」なんです。

それから「安い」。価格は6MTが183万6000円、6ATが190万6200円。ターボエンジンを積んだスポーツモデルがオプションをつけなければ200万円切り。コスパ重視のスーパーである西友もきっとビックリの、驚きの低価格じゃないですか。こんなに安くていいの?

 

というわけで、「はやい」「うまい」「やすい」と3拍子揃った新型スイフト。こんなに試乗が楽しみなクルマもなかなかないと個人的には思っていますよ。

ところでスズキの皆さん、渾身の作品であるスイスポと牛丼を横並びにしちゃってゴメンナサイ。でも褒めているんだから許して!

(文:工藤貴宏/写真:平野 陽)