■ヨコハマタイヤのスタッドレス「iceGUARD6」とオールシーズンタイヤ「BlueEarth-4S」を比較試乗

横浜ゴムは、北海道旭川市に「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」を開設していて、タイヤ開発が行われています。今冬行われたプレス向けのスタッドレスタイヤ試乗会では、2017年登場の「iceGUARD6(IG60)」と、オールシーズンタイヤの「BlueEarth-4S」を比較するメニューも用意されていました。

ヨコハマタイヤ ブルーアース4S
BlueEarth-4Sを履いたプリウスで屋内氷盤試験場でのアイス制動をテスト

スタッドレスタイヤの「iceGUARD6(IG60)」は、ウェット性能とアイス性能を高次元で両立することが開発の狙いとされています。

同社の強みであるシリカ技術をスタッドレスタイヤに使い、ゴムにしなやかさを与えることで、凝着摩擦向上が図られています。ただし、ゴムをしなやかにする大量のシリカを均一に分散させることは簡単ではないそうで、従来のブラックポリマーIIに加えて、シリカ分散性のいいホワイトポリマーを採用することで、シリカ分散性を向上。

そこに、オレンジ由来の素材であるオレンジオイルSを新規に採用することで、長く効く効果が得られるようになったそう。

ヨコハマタイヤ iceGUARD6(IG60)
ヨコハマタイヤのiceGUARD6(IG60)

一方のオールシーズンタイヤ「BlueEarth-4S」は、「iceGUARD」で培われたスノー技術と「BlueEarth」シリーズのサマータイヤの技術が投入され、先進技術のコンパウンドによりスノー・ウエット性能の両立が図られています。

トレッド面は幅広トレッドが採用され、翼を広げたような「V字ダイバージェントグループ」は主溝から分岐されていて、排雪・排水を担います。

ヨコハマタイヤ BlueEarth-4S
BlueEarth-4Sのトレッドパターン

「V字ダイバージェントグループ」をクロスする「クロスグループ」は、交差溝で雪柱せん断力の確保、効率的な排雪、排水を担っています。さらにドライ性能を担うべく、「オールシーズン3Dサイプ」がサイプブロックの剛性を確保し、ショルダー部の大型ブロックが剛性を確保することで、操縦安定性を向上させます。

ヨコハマタイヤ BlueEarth-4S
BlueEarth-4S

スタッドレスタイヤの「IG60」とオールシーズンタイヤの「BlueEarth-4S」を比べると「IG60」の雪柱せん断力8.7mm(溝深さ)、雪柱せん断力(溝 面積比率100)に対して「BlueEarth-4S」の雪柱せん断力8.4mm(溝深さ)、溝面積比率は109となっています。

凝着摩擦力(設置面積)は、「IG60」が100とすると「BlueEarth-4S」は76。ほかにも、アイス制動は「IG60」が100とすると「BlueEarth-4S」は77。スノー制動は、前者が100とすると後者は93となっています。逆に、ドライ性能は「IG60」が100とすると「BlueEarth-4S」は108。ウェット性能は100の「IG60」に対して「BlueEarth-4S」は130と差を付けています。

ヨコハマタイヤ BlueEarth-4S
BlueEarth-4Sを履いたプリウス。雪上のスラロームコースで試乗した

これは、オールシーズンタイヤをスタッドレスタイヤと比べると、設置面積が少なくサイプエッジ量が少ないためで、雪上でそこそこ走れるのは溝面積が大きく、溝エッジ量が多いためだそう。

ヨコハマタイヤ iceGUARD6(IG60)
氷上では、スタッドレスタイヤの信頼性が格段に高く感じられる。タイヤはiceGUARD6(IG60)

実際にプリウス(4WD)に履いた「IG60」と「BlueEarth-4S」を屋内氷盤試験場と、雪上(圧雪路)のスラロームで乗り比べると、制動だけでなく、発進性やステアリングを切っていった際のグリップ力において、明確な差が感じられます。

当然、安心感が格段に高いのは当然「IG60」で、屋内氷盤試験場の制動距離、雪上での制動距離も短くなります。一方で「BlueEarth-4S」は、屋内氷盤試験場のアイス路では制動距離が長くなりますが、圧雪路であれば普通に走る分には問題はなく、非降雪地域で年に数回雪が降るような場合で、圧雪路やシャーベット状態であれば実用になりそうです。

「雪に強いオールシーズンタイヤ」を掲げる同社だけに、こうした地域の方は導入を検討してもいいかもしれません。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久、塚田勝弘)