■プロドライバーの安全を担う運行管理者の資格取得試験が中止

 3月1日に開催を予定していた運行管理者の資格取得試験が、新型コロナウイルス感染症(COVID19)拡大防止を理由に中止された。決定は2月28日の午後。まさに直前のことだ。

運行管理者試験
運行管理者の主な業務は、ドライバーの乗務割の作成、乗務記録の管理、休憩・睡眠施設の保守管理、ドライバーの指導監督、業務前後の点呼によるドライバーの疲労・健康状態等の把握や安全のための指導等。

 試験を実施するのは、国家試験運営のために設立された公益法人「運行管理者試験センター」だ。
「中止決定後すぐにホームページに掲載。受験生の3分の2はメール登録をしているので、すぐに伝えました。ただ、残りの3分の1は郵送で通知を送っても間に合わない。2月29日も事務局で対応、さらに試験会場にも案内板を掲示してお伝えします」と、事務局長。
 決定直前まで「運行管理者資格は安全運行に欠かせない。受験者もこの日のために準備をしているので、中止はない」としていただけに、戸惑いを隠さない。

 運行管理者の資格試験は、一回で全国約4万人が受験する。その大半はバス、タクシー、トラックなど旅客と貨物の自動車運送の運転者や関係者だ。軽井沢貸切バス転落事故を受け、運行管理者の重要度が増し、法令改正直後には5万人が受験した。令和2年度の2回目の試験が実施されるのは3月1日の午後。申込者は4万1629人に上る。試験が始まり19年目を迎えるが、中止はもちろん初めてのことだ。

●再試験開催は「感染の広がりを見て」

「26日に開催された新型コロナウイルスの対策本部での総理発言を受けて、国土交通省と話し合って、その翌日の対応になった」(前同)
 この日、安倍首相は「今がまさに感染の流行を早期に終息させるために極めて重要な時期だ。この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要である」と、大規模イベントなどの中止を呼びかけた。

 運行管理者はドライバーの始業と終業時に点呼を実施。当日の運行予定を確認するだけでなく、運転者とやり取りをする中で健康状態などを観察し、体調不良などの様子を確認することが仕事になる。拡大が心配される新型コロナウイルス感染予防のための自主的な検温などを担当する運送事業の要だ。ドライバーの自覚を促すために、ドライバー全員に取得を促す会社もあるほどだ。一方、新型コロナウイルスは、すでにバス、タクシー、ハイヤー、鉄道など交通モードを問わず感染が見つかっている。当初は外国人との接触を感染経路とする発表も示されたが、後に公表された事例では経路の判明しない感染がほとんどだ。

 今回中止になった2020年度2回目の試験は、日程を改めて開催する予定。試験センターは「感染の広がりを見て、改めて公表する」という。

(中島みなみ)