■荷物や子どもを抱えたままでも乗り降りが楽

今や乗用車の新車販売台数ランキングで上位を占めるコンパクトカー。中でも子育て世代におすすめなのが、スライドドアが付いていて広い室内を持つミニバンやトールワゴンといったタイプです。

スライドドアがあれば駐車中に子どもがドアを開いた時に隣のクルマへぶつけないとか、子供を抱えながら荷物も持って乗り降りが可能、後席のチャイルドシートに子どもを乗り降りさせるのが楽など、様々なメリットがあります。

しかも、ミニバンやトールワゴンといったタイプなら、4〜5人家族でも快適にドライブが楽しめます。さらに、コンパクトな車体は女性でも運転がしやすく、お母さんが子どもを乗せて買い物や幼稚園などの送迎をするのにも便利です。

ここでは、そういった子育て世代に人気のスライドドア付きコンパクトカーを紹介します。

●トヨタ・シエンタ

コンパクトミニバンで、最も人気があるモデルのひとつがシエンタです。3列シートの6人乗り/7人乗り仕様のほかに、2列シート5人乗りで車中泊なども楽しめるFUNBASE(ファンベース)もあります。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
シエンタには3列シート仕様と2列シート仕様がある

ボディサイズは、全長4260mm×全幅1695mm×全高1675mm。一方、室内サイズは長さ2535mm(3列シート車)/1900mm(2列シート車)、幅1470mm/1490mm(2列シート車)、高さ1280mmを確保しています。

1.5L・直列4気筒ガソリン車のほかに、45KWモーターを装備したハイブリッド車も設定。2020年6月には、2列シート車にLEDヘッドライトなどを装備した新グレード「FUNBASE G Cuero(ファンベースクエロ)」も追加されています。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
シエンタ ファンベースクエロ

シエンタには、後席側ドアの左右両方が電動で開閉するデュアルパワースライドドアを全グレードに採用。スマートエントリーシステム+プッシュスタートシステム装着車の場合、スマートキーを携帯していれば、運転席側と助手席側いずれのドアもワンタッチスイッチを押すだけで解錠やドアオープンが可能。

スライドドアに近づくだけで、ドアが自動的にオープンするウェルカムパワースライドドア機能や、スライドドアが閉まりきる前に施錠を予約できる予約ロック機能なども装備しています。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
トヨタ・シエンタなどスライドドア付きのコンパクトカーは人気が高い

しかも、挟み込み防止機能付きなので、ドアを閉める際に挟み込みを感知すると電動スライドドアが自動で開くのでとても安全。これらの装備があれば、荷物や子どもを抱えているときなどでも、楽にドア開閉をすることができますね。価格(税込)は180万9500円〜256万2000円です。

●ホンダ・フリード

ホンダが販売するコンパクトカーの中では、フィットと並んで人気が高いミニバン・タイプのモデルがフリードです。

こちらもシエンタと同様に、6人乗り/7人乗りの3列シート仕様のフリードと、5人乗り2列シート仕様のフリード+があります。安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全車に標準装備するほか、SUVルックの「クロススター」も設定されています。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
ホンダ・フリード

ボディサイズは、全長4265-4295mm×全幅1695mm×全高1710-1735mm。室内サイズは長さ3045mm(3列シート車)/2310mm(2列シート車)、幅1455mm、高さ1275-1285mm。1.5Lのガソリン車と同エンジンに22KWモーターを搭載したハイブリッド車の設定もあります。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
室内が広く、スライドドアで乗り降りも楽

フリードも、子育て世代を意識したスライドドアの開閉システムを採用しています。まず、後席側ドアが左右とも電動で開く両側パワースライドドアを採用(Gホンダセンシングを除く)。しかも、リモコンや運転席のスイッチで開閉の操作ができるほか、ドアハンドルを少し引くだけでリアドアが自動開閉するなど、数多くの親切設計を取り入れています。

また、ドアの開口幅は665mmと広く、荷物の出し入れが楽。ステップ幅が390mmと低いため、小さな子どもでも楽に乗り降りができます。価格(税込)は199万7600円〜327万8000円です。

●トヨタ・ルーミー/タンク

スライドドアがあるコンパクトカーには、背が高いトールワゴンのタイプもあり、その中でも最も売れているのがトヨタのルーミーです。

このモデルは、業界団体の自販連(日本自動車販売協会連合会)がまとめた2019年度(2019年4月〜2020年3月)の新車販売台数ランキングで5位(9万2890台)。同ランキング3位(10万8067台)のシエンタに続く人気で、7位(8万4407台)のフリードより売れているモデルなのです。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
トヨタ・ルーミー

2016年に発売されたルーミーは、ダイハツ・トールのOEM車で、兄弟車には同じトヨタのタンクやスバルのジャスティがあります。

ボディサイズは全長3700-3725mm×全幅1670mm×全高1735mmで、シエンタよりひとまわり小さいサイズになっています。

一方、室内サイズは長さ2180mm、幅1480mm、高さ1355mmと広々。様々なシートアレンジが可能で、後席は最大240mmのスライドができるため、5人乗車で荷室に機内持ち込み用スーツケース4個の積載も可能です。1.0Lの3気筒エンジンと1.0Lの3気筒ターボエンジンといった2タイプのガソリン車を設定しています。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
子育て世代を意識した装備が人気を得ているルーミー

ルーミーにも後部ドアに運転席側と助手席側の両方が電動で開くパワースライドドアを採用。また、電子カードキーを携帯していれば、ドアハンドルのスイッチを押すだけでドアの施錠や解錠ができるワンタッチオープンや予約ロック機能、挟み込み防止機能などを助手席側には全グレード標準装備。XとX“S”以外のグレードでは運転席側のスライドドアにも同じ機能を採用しています。

価格(税込)は149万500円〜193万8200円です。なお、トヨタの兄弟車のタンクも、基本的には同様の機能を持ち、価格(税込)は149万500円〜193万8200円です。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
トヨタ・タンク

●スズキ・ソリオ

ルーミーのライバル車で、コンパクトカーのトールワゴンとして先駆け的な存在が、2011年に登場したソリオです。

ボディサイズは全長3710mm×全幅1625mm×全長1745mmで同じく非常にコンパクト。室内サイズは全さ2515mm×幅1420mm×高さ1360mmで、こちらも小柄な車体のわりに広々としたスペースを確保しています。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
スズキ・ソリオ

1.2L・直列4気筒エンジンのガソリン車のほか、同じエンジンに2.3KWモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド車、1.2Lエンジンと10KWモーター搭載のハイブリッド車といった3タイプを設定。特に、ハイブリッド車は、JC08モードで32.0km/Lという優れた燃費性能を発揮します。

ソリオにも、ほかのモデルと同じくドアの開閉に気を使うことなく乗り降りできる、スライドドアを後席の両側に採用。やはり、荷物や子どもを抱えたままでも乗り降りが楽な設定となっています。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
ソリオの室内

注目は、スイッチひとつでスライドドアが自動解錠&自動オープンできるワンアクションパワースライドドアを、後席ドア両方に、しかも全グレードに装備していること。シエンタやフリードなどが、似たような装備をグレード別設定にしているのに対し、どのグレードにも付いているのはうれしい点です。

また、開閉操作の途中でドアを好きな位置で止められる「一時停止機能」も採用。こちらも全グレードに設定があり、雨の吹き込みを避けたいときや、ちょっとした荷物の出し入れなどに便利な機能です。

なお、パワースライドドアは車外からのアウタードアハンドル、室内で操作するインサイドドアハンドル、携帯リモコン、運転席スイッチからでも自動開閉が可能です。

価格(税込)は148万6100円〜227万2600円です。

●トヨタ・ポルテ/スペイド

スライドドア付きのコンパクトカーには、ほかにもトヨタ車に設定があります。3ドアタイプのトールワゴン、兄弟車のポルテとスペイドです。

2台のボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1690-1720mm。室内サイズは長さ2160mm、幅1420mm、高さ1380mm。1.5L・直列4気筒ガソリン車のみの設定となっています。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
トヨタ・ポルテ

これらには、いずれも助手席側ドアに大開口ワイヤレス電動スライドドアを採用。開口幅1020mm、開口高1250mmとドアが大きく開くため、両手が塞がったままでも乗り降りがスムーズです。また、ドアを自動でしっかり閉めて半ドアを防ぐイージークローサーや、挟み込み防止機能などで、安全面の配慮もなされています。

価格(税込)はどちらも186万62300円〜224万4100円です。

スライドドア付きでコンパクトなミニバンやトールワゴン
トヨタ・スペイド

室内が広く、使い勝手がいいスライドドアが付いているコンパクトカーのミニバンやトールワゴン。

近年、コンパクトカーでは新型車が数多く発売されているSUVタイプが注目されていますが、子育て世代などから見れば、今回紹介したようなモデルたちの高い実用性は魅力です。それが、根強い人気を得ている大きな要因だといえるでしょう。

(文:平塚直樹/写真:トヨタ自動車、本田技研工業、スズキ)