■スーパーチャージャー、モーター、ターボのトリプル加勢!!

2020年8月に、ボルボはSUVの全ラインナップを電動化(2020年時点で48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド)し、内燃機関のみの仕様がなくなっています。

今回試乗したプレミアムミドルサイズSUVのXC60も例に漏れません。

ボルボXC60
ボルボXC60「B6 AWD R-DESIGN」の走り

今回、試乗したのはXC60の「B6 AWD R-DESIGN」で、以前お伝えしたように、48Vマイルドハイブリッドの「B5」との違い、体感上の差も気になる点です。この「B6」は、2.0L直列4気筒ターボに電動スーパーチャージャーも加わるハイパフォーマンス仕様で、さらに「B5」と同様に48Vマイルドハイブリッドが搭載され、モーターアシストの加勢もあります。

ボルボXC60
ボルボXC60「B5」の2.0L直列4気筒ターボには、電動スーパーチャージャーも備わる

XC60「B6」のエンジンスペックは、最高出力300PS/5400rpm・最大トルク420Nm/2100-4800rpm。同じ2.0Lターボの「B5」は、250PS/5400-5700rpm・350Nm/1800-4800rpmとなっていて「B6」の方が50PS/70Nmも上回っています。

車両重量は「B6 AWD R-DESIGN」が1940kg、以前試乗した「B5 AWD INSCRIPTION」が1890kg(標準サスペンション)、1920kg(エアサス)となっています。標準サスペンション同士の比較だと「B5」の方が50kg軽く仕上がっています。「B6 AWD R-DESIGN」の走りは、発進時から豊かなトルク感が次から次に湧き出るような感覚。

ボルボXC60
ボルボXC60「B6 AWD R-DESIGN」のインパネ

走り出しから加勢してくれる電動スーパーチャージャー、10kW/40Nmというモーターアシスト(B5と同値)もあって、2t近い車重をまったく感じさせないスムーズな発進加速を堪能できます。さらに、モーターアシストの利点もあり、パーシャル域からのアクセルレスポンスも良好そのもの。

300PSを解き放つシーンはあまりありませんでしたが、急勾配の加速でもターボの過給が始まると猛然とダッシュをかける勢いの良さを堪能できます。

ボルボV60
トランスミッションは8速AT。シフトレバー隣にスマホ充電用のQi(チー)を備える

さらに特徴なのが、扱いやすさ。速さ自慢のSUVは今では珍しくありませんが、パワートレーンの仕立てはあくまで上質で、スポーティ系の「R-DESIGN」でも、“じゃじゃ馬”的な乗りにくさはありません。

また、うれしいのは「B5」のWLTCモード燃費11.5km/Lと比べても、0.4km/L落ちにとどまる11.1km/Lというカタログ燃費でしょうか。

ボルボXC60
XC60「B6」の専用エンブレム。駆動方式はAWD

「B6」も48Vマイルドハイブリッド、気筒休止機構などによる燃費向上策が盛り込まれています。また、100%回生ブレーキを掛けることもできるブレーキのフィーリングも違和感はなく、少々飛ばしても2tの車両重量とスピードをきちんと制動させるブレーキになっています。

加えて、ストッピングパワーは十分ではあるものの“カックン”ブレーキになるようなこともありませんでした。

ボルボXC60
タイヤサイズは255/40R21

操舵感はボルボらしくナチュラルなもので、SUVですから多少ロール感はあるものの、肩ひじ張らず付き合えるのも特徴。

「R-DESIGN」は、専用スポーツサスペンションになり、タイヤサイズは225/40R21と大径ということもあり、足まわりはそれなりに引き締まっています。それでも同時に乗り比べたステーションワゴンの「V60 B5 R-DESIGN」と比べると、車重が190kgも重いこともあってどっしりした落ち着きもあります。

ボルボXC60
十分な速さを備えながら扱いやすい

なお、「ドライブモード」を「ダイナミック」モードにすると、アクセルとトランスミッション、ステアリングの反応が高まり、よりスポーティな走りを堪能できます。同乗者への配慮やバランスの良さからすると「コンフォート」がベスト。デフォルトのモードであるのも頷けました。

(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)