■フロントスクリーンに投影されるARナビゲーションなど、先進装備の数々をチェック

新型メルセデス・ベンツSクラスは、ドライバーの顔(全モデルにオプション装備)をはじめ、指紋や声の3種類いずれかの生態認証もしくはPINコードによる、計4種類の認証で迎えてくれます。

どれか1種類の認証により、シートとステアリング、サイドミラーのポジションやコックピットディスプレイの表示スタイル、ペアリングされた携帯(スマホ)の情報端末、ナビのお気に入り設定などを統合して読み込むことができます。

メルセデス・ベンツSクラス
メルセデス・ベンツSクラスのヘッドアップディスプレイ

助手席や後席左右も声もしくは、PINコードによる認証が可能になっていて、シートポジションなどの読み込みが可能。なお、認証せずに全て個別に手動で設定することもでき、顔認証はマスクをしていると使用できないそうです。

ビッグマイナーチェンジを受けたEクラスにARナビゲーションが初めて搭載されましたが、Sクラスではさらに進化を遂げています。世界で初めてのAR(Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションを、インパネ中央の有機ELメディアディスプレイだけでなく、フロントウィンドウスクリーンに投影するシステムを全車にメーカーオプション設定しています。

メルセデス・ベンツSクラス
縦型センターディスプレイにもARナビが表示される

新型Sクラスでは、フロントスクリーンのヘッドアップディスプレイ上には、進むべき道路が約10m先の景色に重ねて矢印で表示。進行方向が変わると、それに従って矢印も動き、常にどの方向に進むべきかが分かりやすく表示されます。これにより、目線をそらさず、より直感的にどの道路に進むべきかを判断することが可能になります。

最新の先進安全装備も見どころです。新型Sクラスには、世界で初めて助手席の機能に影響を与えない後席左右の「SRSリヤエアバッグ」をロングボディにオプション設定。後席用エアバッグは、前席のシートバックの裏側に格納されています。前席エアバッグと同様に、万が一の事故を検知し、後席の乗員を守るべく展開されます。

さらに、シートベルトの拘束機能を補完し、乗員の頭や首を支えることで、負荷を大きく軽減。エアバッグの外縁部はチューブ状になっていて、ガスによって強く膨張する一方で、その内側となる中央部は周囲の空気を取り込んで柔らかく膨張するそう。これにより、乗員の体格やチャイルドシートの有無など、多様な状況に柔軟に対応し、効果を発揮します。

万が一の事故の際、膨張させることで表面積を増加し、乗員の傷害の可能性を減らす「SRSベルトバッグ(S 500 4MATICおよび、ロングボディにオプション)」と、座面の前部を跳ね上げることで、前面衝突時の乗員の潜り込みを防止する「クッションエアバッグ(ロングボディにオプション装備、助手席側後席のみ装備)」と組み合わせることにより、後席の安全性をさらに向上させます。

メルセデス・ベンツSクラス
後席左右席用のエアバッグを世界で初めて採用

また、ドライバーサポート機能は、従来から新機能、もしくはアップデートされています。「アクティブステアリングアシスト」に必要な車線認識に、従来使われていた「ステレオマルチパーパスカメラ」だけでなく、360度カメラシステムも使用することで、対応可能なコーナー(カーブ)が増えるそう。これにより、高速道路上で今まで以上に車線中央を精密に維持することができるようになります。

ドライバーが周囲の道路状況に反応しなくなってからかなりの時間が経過すると警告を発したり、徐々に減速して最終的に車両を停止させたりする「アクティブエマージェンシーストップアシスト」は、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」と「アクティブステアリングアシスト」が作動していない場合でも、作動できるようになっています。

さらに、警告や緊急自動ブレーキ機能を含む「アクティブブレーキアシスト」は、右左折の際にクルマや自転車、歩行者と衝突する危険があると、警告や自動ブレーキが作動するようになりました。対向や飛び出し、巻き込みなどに対応します。

ステアリング操作をアシストする「緊急回避補助システム」は、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者や自転車を含む車両も検知するようになっています。

車線維持機能の「アクティブレーンキーピングアシスト」もアップデートが図られています。芝などの路肩に対しても反応するようになったほか、メニューで3段階で感度が調整できるようになっています。

加えて、作動時にアクティブアンビエントライトやヘッドアップディスプレイによって、強調警告もされます。斜め後方からの接近車両など知らせる「アクティブブラインドスポットアシスト」は、停車時にドアを開けようとした際、後方から障害物が迫っている際の警告機能を採用。さらに、乗員がドアハンドルに手をかけようとする動作を検知し、アクティブアンビエントライトによる警告が行われます。

「PRE-SAFE インパルスサイド」では、フロントバンパー外側のレーダーセンサーが側面衝突が不可避であると検知すると、衝突側前席バックレストのサイドサポートに内蔵されたエアチャンバーが瞬時に膨張。これにより、乗員をドアから遠ざけることで衝撃の軽減を図ります。

メルセデス・ベンツSクラス
「MBUX」のスイッチを追加

また、メルセデスが誇る対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も進化しています。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能 (目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加えて、 クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応。また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能で、利便性が向上。

今回、初めて前後席それぞれ左右計4席のどの席から発話されているかを聞き分け、アンビエントライトでその席をハイライトします(S 500 4MATICおよびロングボディにオプション設定)。発話者のゾーンのみ温度設定を変更したり、エンターテインメントシステムを操作したりするなど、それぞれの席に紐づいたコマンドを実行することができます。 
ほかにも、「MBUXインテリア・アシスタント」が標準ボディにオプション、ロングボディに標準装備されます(内装色がブラックの場合のみの機能)。

メルセデス・ベンツSクラス
「MBUX Interior assist camera」

同装備により、手のジェスチャーで様々な操作が可能になりました。例えば、Vサインによって、お気に入りの機能のショートカットが有機ELメディアディスプレイに表示されます。加えて、リーディングライトやサーチライトのオン・オフやパノラミックスライディングルーフとサンシェード(標準ボディにオプション装備、ロングボディに標準装備 )の開閉、ドライバーがバックギアにシフトして後ろを振り返るとリヤウィンドウの電動ブラインド(S 500 4MATICおよびロングボディにオプション装備 )が自動で開くなど、利便性が高まっています。

後席左右に装備される11.6インチディスプレイ(S 500 4MATICおよびロングボディにオプション )は、テレビや映画、音楽を楽しめるほか、目的地の設定や車両機能の設定などの機能が、タッチスクリーンや専用リモコンでも操作することが可能。前席でテレビ、後席右側では映画(HDMI接続での映像入力が別途必要 )、後席左側ではラジオなど、それぞれの席で別のソースを楽しむことができます。

メルセデス・ベンツSクラス
後席左右別々のソースを楽しめる

後席には無線ヘッドフォン(S 500 4MATICおよびロングボディにオプション )が2つ装備されます。また、前席の有機ELメディアディスプレイで選択したプログラムを、画面上で後席にドラッグすることで、シェアすることができるなど、スマホのような直感的な操作が可能です。

(塚田 勝弘)