■伊藤かずえさんの愛車レストア決定した初代シーマは、様々な追い風に乗り大成功を収めた

初代シーマ外観02
初代シーマのフロントスタイル。

アラフィフの筆者にとって、80年代のテレビ番組といえば、テレビ朝日毎週日曜20時からの西部警察、フジテレビ月曜〜金曜夕方5時〜からの夕焼けニャンニャン、そしてTBS火曜20時からの大映テレビが製作するドラマは見逃せない番組でした。その大映テレビが製作するドラマに欠かせなかった女優と言えば、伊藤かずえさんです。

伊藤さんは大映のドラマ以外にもさまざまな番組に出演されてきましたが、個人的には「不良少女とよばれて」と「スクール☆ウォーズ」は今でも忘れられず、ケーブルテレビの再放送を何度も見てしまいます。

初代シーマ内装02
初代シーマのインパネ。

前説が長くなりましたが、その伊藤かずえさんが30年以上乗り続けている愛車が、初代日産シーマなのです。最近、その伊藤さんの初代シーマを日産社内の有志チームがレストアすることになったとか。そこで今回は、初代シーマとは一体どのようなクルマだったのか。そして現在、中古車は流通しているのかどうかを紹介したいと思います。

初代シーマ外観03
初代シーマのリアスタイル。

初代日産シーマは1987年に開催された東京モーターショーに出品され、翌年の1988年1月に販売開始した3ナンバー専用のボディを採用した4ドアセダンです。それまでのフラッグシップセダンだった日産セドリック/グロリアはもちろん、トヨタクラウンも基本は5ナンバーサイズ。ワイドボディとして3ナンバー仕様も設定されていましたが、印象が大きく変わるものではありませんでした。

初代シーマ内装01
最高出力255psを発生するV6 3Lターボエンジン。

ところが折からのハイソカーブームに加えてバブル景気。さらに1989年には物品税廃止という追い風を受けて、3ナンバー専用ボディを採用した初代シーマは大ヒット。「シーマ現象」と呼ばれる社会現象を巻き起こしました。

初代シーマ内装03
初代シーマのフロントシート。

全長4890mm×全幅1770mm×全高1380mmというピラーレスハードトップのボディに、サスペンションはフロントがストラット式、リアは独立したセミトレーリングアームを採用。1990年に最高のクルマを作るという901運動の前のモデルなので、マルチリンクサスペンションは採用されていませんが、電子制御のエアサスペンションを搭載するなど、これまでの国産車とは一線を画した乗り味を実現しています。

搭載するエンジンは、最高出力255ps、最大トルク35.0kg-mを発生するVG30DET型3L V6DOHCターボをはじめ、最高出力200psを発生するVG30DE型3LV6DOHCエンジンの2種類。ミッションは4速ATが組み合わされていました。

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自動車電話装着車にはステアリングに電話を掛けられるボタンを装備していた。

もう、絶滅危惧種かと思っていましたが、現在、初代シーマの中古車は約43台も流通していて、平均価格は約170万円と現行モデルを除く歴代シーマの中古車の中で最も高い平均価格となっています。

中古車の価格帯は約60万〜約348万円と幅広いのが特徴。走行距離10万km超の中古車も流通していますが、他の高級セダンと比べると少なめで、中には走行距離1.5万km車庫保管、ワンオーナーという前オーナーに大切にされてきた中古車が多いのも初代シーマの特徴となっています。

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初代シーマにはオプションで自動車電話が設定されていた。

グレードでは3Lターボエンジンを搭載したタイプIIリミテッドが中心で、エントリーグレードのタイプIはあまり流通していません。

日産のセダンの中でも傑作と言われている初代シーマ。伊藤さんの愛車は、きっと日産有志の「再生クラブ」によってレストアされるのでしょう。これまでクラシックカーやレーシングカーなどをレストアしてきた再生クラブの皆さんですから、伊藤さんも驚くほど見事に蘇らせてくれることでしょう。

(文:萩原文博、写真:日産自動車)