■ホンダ車の販売トップスリーはN-BOX、フィット、フリードの順番だが、直近では入れ替わっている!

4月といえば新年度のスタートです。一方で前年度を振り返るタイミングともいえます。

ホンダフィット
かつては日本一売れたこともあるフィット。2021年度の販売台数は9万4311台

さて、日本における新車販売ではトヨタ・ヤリス(ヤリスクロス、GRヤリスとの合算)が登録車としては久しぶりに20万台を超える新車販売を積み重ね、2020年度(2020年4月〜2021年3月)におけるオーバーオールのトップに立ったことが話題になっています。

ご想像の通り、オーバーオールでの2位はホンダのスーパーハイト軽自動車N-BOXです。N-BOXの2020年度における新車販売は19万7900台。2019年度は24万7707台でしたから2割減といったところですが、自動車業界にはコロナ禍や半導体不足といった逆風が吹いていますから致し方ないのかもしれません。

ホンダのラインナップでいえば2番手となったのがフィットで、こちらの2020年度の新車販売は9万4311台。そして3番手はフリードの7万3368台となっています。

この順番は予想通りという感じでしょうが、それにしても2020年2月にフルモデルチェンジを実施して、2020年度は新車効果が期待できたはずのフィットが伸び悩んでいる感は否めません。冒頭で記したようにガチンコのライバルであるヤリスが絶好調なのと対照的です。

ホンダフリード
コンパクトなミニバンとして人気のスライドドア車がフリード。2020年度の販売台数は7万3368台

一方でフリードは市場で確実に存在感を示しています。なにしろ、2020年度の新車販売においてはミニバン市場でもトヨタ一強状態だからです。

ミニバンのカテゴリーごとに販売トップモデルを並べると次のようになっています。

ミニミニバン(2列モデル)「トヨタ・ルーミー」10万3064台
コンパクトミニバン「ホンダ・フリード」7万3368台
Mクラスミニバン「トヨタ・ヴォクシー」7万1903台
LLクラスミニバン「トヨタ・アルファード」10万6579台

このように、トヨタの各モデルがミニバンの各カテゴリーでトップとなっている中で、フリードが孤軍奮闘といえる状態で健闘しているのです。

ちなみに、フリードがトップのコンパクトミニバン・カテゴリーでのライバルはトヨタ・シエンタ(2020年度販売台数:6万8223台)です。ホンダのMクラス・ミニバンであるステップワゴンの2020年度販売台数が3万6091台で、ヴォクシー単独でもダブルスコアで負けていることを思えば、フリードの商品力の高さがうかがえます。

余談ですが、ヴォクシーの姉妹車であるノア(2020年度販売台数:4万6755台)とエスクァィア(同1万9800台)を足すと、ステップワゴンの3倍といえる規模になるほど大差がついてます。

ホンダN-BOX
ホンダ軽自動車のエースN-BOX。2021年度の販売台数は19万7900台

フリードの人気というのは直近のデータからも明らかです。

3月といえば年度末決算商戦で販売増となる時期ですが、2021年3月のフリードの新車販売は9764台でした。一方で、同月におけるフィットの販売台数は9231台。さまざまなメディアで話題になっているように、自動車業界は半導体不足による生産調整を強いられている状況なので、この数字をそのまま市場ニーズと捉えるわけにはいかない事情もありますが、2月も同じようにフリードがフィットよりも売れています。

現行フリードは2016年9月の発売で、マイナーチェンジの実施も2019年10月です。フィットに比べるとフレッシュではないといえる状況で、この販売結果はやはりフリードのようなスライドドア車への支持が、ホンダを選ぶユーザーの中で高まっていると感じさせるのです。

ちなみに、2021年3月におけるN-BOXの新車販売は2万7164台でした。こうしたN-BOXの人気が、ホンダに「スライドドア車の得意なメーカー」というブランド価値をつけ、それがフリードの人気につながっているという側面が、こうした販売傾向からもうかがえるのではないでしょうか。

(自動車コラムニスト・山本晋也)