■ホンダのスポーツカーを中心に、ストリート重視のチューニングが施されたモデル、それがタイプS

2021年8月30日、2代目ホンダNSXの集大成としてNSX タイプSを発表しました。

ホンダ車タイプSの外観02
現行型NSX タイプSのフロントスタイル。

現行型NSXタイプSの開発責任者の水上聡氏は、2018年の改良モデルを発表した当時、インテグラ タイプSを所有しているということなので、タイプSに対する思い入れも強いことでしょう。

現行型NSXタイプSは従来のNSXのパフォーマンスとデザインを追求したモデルで、ダイナミクス性能ではタイプSが目指す加速性能やコーナリング性能、そして空力・冷却性能などを徹底的に突き詰めて「ドライバーとクルマとの一体感」と「操る喜び」を提供。そしてデザインでは、タイプSとしての空力や冷却し慧能など機能的進化を実現する新デザインとしています。

現行型NSXだけでなく、これまでホンダ車にはタイプSと名付けられたモデルが存在しています。そこでここでは、ホンダの「タイプS」グレードの車種紹介と最新の中古車事情を紹介しましょう。

●S2000 タイプS

ホンダ車タイプSの外観03
S2000 タイプSのフロントスタイル。

まずは、1999年に登場したFR2シーターオープンスポーツのS2000です。S2000にタイプSが追加されたのは、モデル末期の2007年10月です。

2.2L直列4気筒エンジンを搭載したS2000タイプSは、横滑り防止装置のVSAとサテライトスピーカーを標準装備。さらに専用のエアロパーツと専用チューンを施したサスペンションを採用し、空力特性とステアリング操作の応答性を追求したモデルとなっています。

ホンダ車タイプSの外観04
S2000 タイプSのリアスタイル。

専用装備として、ブラック&イエローのファブリックシート&インテリア、アルミシフトノブ、ブラックエンブレム、フロントスポイラー、大型リアスポイラー、チューニングサスペンション、カイザーシルバー・メタリックのアルミホイールを採用しています。

現在、S2000タイプSの中古車は約16台流通していて、価格帯は約489万〜約900万円と、800万円を超えるプライスを付けた中古車が4台もあります。

●プレリュード タイプS

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プレリュードタイプSのフロントスタイル。

続いては、1996年に登場した最終モデルのプレリュードです。最上級グレードのタイプSは、最高出力220psを発生する専用チューニングを施した2.2L直列4気筒エンジンを搭載。

さらに、左右への駆動力配分により優れた旋回性能を実現するATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)、旋回時にさらに安定したブレーキ性能を実現するタイプS専用のアクティブ・コントロールABSなど、ホンダの高運動性能化技術により、優れた快適性を持ちながらも極めて高い運動性能を実現し、インテリジェントスポーツとなっています。

ホンダ車タイプSの外観06
プレリュードタイプSのリアスタイル。

現在、プレリュードタイプSの中古車は約3台しか流通しておらず、価格帯も約118万〜約236万円と年式としては、かなり高価格となっています。

●インテグラ タイプS

2001年に登場した2ドアクーペのインテグラのタイプSは2004年のマイナーチェンジの際に登場しました。

ホンダ車タイプSの外観07
インテグラタイプSのフロントスタイル。

最高出力160psを発生する2L直列4気筒エンジンを搭載したインテグラタイプSは従来のiSに代わり、よりスポーツ性を高め、毎日の運転で「操る楽しさ」を味わえる「エブリデイスポーツ」をコンセプトとしたモデルで、トランスミッションは5速MTと5速ATが用意されています。

ホンダ車タイプSの外観08
インテグラタイプSのリアスタイル。。

インテグラタイプSはボディー剛性を大幅に高めると同時に、専用のサスペンションセッティングを実施。タイプSはiSに対し2インチアップした17インチタイヤの採用やブレーキ容量のアップなどと相まって、日常のあらゆるシーンで爽快な走りを快適に楽しめる走行性能を実現しています。

インテグラタイプSの中古車は現在約17台流通していて、価格帯は約37万〜約200万円。その内半数の9台はMT車となっています。100万円以下で楽しめるスポーツモデルです。

●アコード/アコードツアラー タイプS

2008年に登場したアコードとステーションワゴンのアコードツアラーにもタイプSが設定されていました。タイプSは2011年に実施したマイナーチェンジの際に追加されています。

ホンダ車タイプSの外観09
アコードタイプSのフロントスタイル。

アコード/アコードツアラータイプSは、高い動力性能による力強い走りと、優れた環境性能を高いレベルで両立した2.4L直列4気筒 DOHC i-VTECエンジンを搭載。高次元な運動性能と快適性を両立したタイプS専用セッティングのサスペンションを採用しています。さらに、前輪のブレーキディスクを17インチに大型化し、高速でも安心感のある制動性能を実現しています。

ホンダ車タイプSの外観11
アコードツアラータイプSのフロントスタイル。

そして、アコード/アコードツアラータイプSの外観デザインは、専用のフロントグリルやヘッドライトなどに加え、空力性能の優れたフロントチンスポイラーやサイドシルガーニッシュなどを採用し、ロー&ワイドな印象を強調。インテリアは、ルーフやピラーのライニングなども含め黒で統一し、赤いステッチを施したシート表皮など、スポーティーテイストを追求しています。

ホンダ車タイプSの外観10
アコードタイプSのリアスタイル。

現在、アコードタイプSの中古車の流通台数は約12台で、価格帯は約68万〜約134万円です。一方のアコードツアラータイプSは約10台の中古車が流通していて、約53万〜約198万円となっています。

アコードセダンだとこのモデルより、古い世代に設定されたユーロRのイメージが鮮烈です。タイプSはセダンよりステーションワゴンのアコードツアラーのほうが狙い目です。

●NSX タイプS

そして最後に紹介するのは、1990年に登場した初代NSXです。タイプSは1997年2月のマイナーチェンジの際に追加されました。

ホンダ車タイプSの外観12
初代NSX タイプSのフロントスタイル。

初代NSXタイプSは3.2L V型6気筒エンジン+6速MTというパワートレインを搭載。エアコンなどの快適装備はそのままに、約45kgの軽量化、専用サスペンションチューニング、専用デザインのステアリングホイールやシフトノブなどにより、ワインディングロードなどでのスポーツドライビングの楽しさを際立たせたモデルです。

そして、確かなステアリングインフォメーションを確保しながら、よりニュートラルなステア特性を示す専用サスペンションセッティングを採用。専用デザインのBBS鍛造アルミホイールの採用により、4kgのバネ下重量軽量化を達成しています。

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初代NSX タイプSのリアスタイル。

さらに、専用パーツとして、MOMO社製本革巻ステアリングホイール、レカロ社製フルバケットシート、チタン削り出しシフトノブ、メンテナンスリッドやサイドインテークの軽量メッシュグリルなどを採用しています。

また、エアコン、オーディオなどの装備の非装着や遮音シートを軽減するなど96kgの軽量化を実現し、さらにハードセッティングのサスペンションを採用したサーキット走行のベース車として、タイプS ZEROも設定していました。

現在、初代NSXタイプSの中古車は1台しか流通しておらず、価格は新車時価格の1035万7000円を大きく上回る1800万円となっています。

こうして見てみると、タイプRがサーキット走行でのタイムアタックをメインとしたモデルであるのに対して、タイプSはストリートやワインディングでの気持ち良い走りを追求したモデルに仕上げられているのが特徴です。こうしたモデルもどんどんと数が少なくなっていくと思うと寂しいですね。

(文:萩原 文博/写真:Honda)