■排気量アップや新フレームの新型が6月30日(木)発売

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、一新したスタイルや排気量をアップしたエンジンの搭載、運転支援技術投入などでフルモデルチェンジを行ったスポーツヘリテージモデル「XSR900ABS」の2022年モデルについて、国内仕様車を正式発表しました。

ヤマハ新型XSR900ABSが価格121万円で国内販売
ヤマハ・XSR900ABSの2022年モデル

新型は、2輪レース最高峰「WGP」で1980年代に活躍したゴロワーズ・ヤマハのYZR500を彷彿とさせるカラーが設定されたことも注目点。

価格(税込み)は121万円、2022年6月30日(木)より発売開始されます。

●3気筒エンジンの排気量を888ccへアップ

XSR900は、レトロなスタイルを現代風にアレンジしたヤマハのスポーツモデルです。

2016年に登場した初代モデルは、ネイキッドスポーツの「MT-09」をベースに、丸目1灯ヘッドライトなどでビンテージ感溢れる外観を実現。

ヤマハ新型XSR900ABSが価格121万円で国内販売
XSR900ABS、ブルーメタリックCの右サイドビュー

ABS、トラクションコントロール、アシスト&スリッパークラッチなどの先進装備も合わせ持つことで、優れた走行性能や安全性能も両立していることなどが特徴です。

その2022年モデルでは、“The Expert of Equestrian(伝統馬術のエキスパート)”をコンセプトに開発。長い歴史を誇るヤマハ製レーシングマシンが培った、美しい造形や先進技術によるモダンな走行性能を継承しつつも、よりスポーティなモデルとして生まれ変わりました。

主な変更点は、まず、直列3気筒エンジンの排気量を845ccから888ccへアップし、ピストン、コンロッド、クランクシャフト、クランクケースなど、主要パーツのほとんどを新設計しています。

また、新エンジンとのバランスを図るため、新フリクションプレートを織り込んだアシスト&スリッパ―クラッチ、1・2速をハイギアード化し最適化したトランスミッションも採用。

これらにより、アクセル操作だけで狙ったラインをトレースできるエンジン特性に、より磨きが掛かっています。

●新フレームで軽快性と直進安定性を両立

車体関係では最新の製造技術を駆使し、最低肉厚1.7mmの新フレームも採用。軽快な運動性をさらに向上させると共に、横剛性を従来比で約50%アップしたことで、高い直進安定性などにも貢献します。

ヤマハ新型XSR900ABSが価格121万円で国内販売
XSR900ABS、ブラックメタリックXのフロントビュー

専用設計したリヤフレームは、水平基調で低く構えたシルエットを実現します。

新デザインのロー&スリムなシートとあいまって、まるで1980年代のレーシングマシンがカウルを外した時のようなレーシーなフォルムも演出。やや腰を後ろに引いたライディングポジションが、走行時の高揚感も与えてくれます。

ほかにも、鋳造ながら鍛造に匹敵する強度と靭性を備えるヤマハ独自のスピンフォージド ホイール技術を投入した軽量ホイールも装備。軽快かつ安定感のある走りを実現すると共に、リヤの慣性モーメントを11%低減することで俊敏な運動性にも貢献します。

●クイックシフターはシフト上下に対応

先進技術のアップデートも2022年モデルの注目点です。

まず、さまざまな電子制御システムのキーとなる各種センサー類のユニット「IMU」は基本性能を維持しつつも、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を図っています。

ヤマハ新型XSR900ABSが価格121万円で国内販売
XSR900ABS、ブラックメタリックXの右サイドビュー

また、トラクションコントロールシステム、スライドコントロールシステム、リフトコントロールシステムは介入レベル調整、およびON・OFF設定が可能。さらに、ブレーキコントロールやシフトアップとダウンの両方に対応するクイックシフターなども搭載します。

●ブルーにイエローラインはまさにゴロワーズカラー

注目のカラー。新型では、「ブルーメタリックC(ブルー)」と「ブラックメタリックX(ブラック)」の2色が設定されますが、なかでもブルーは、1980年代にWGPで活躍したゴロワーズ・ヤマハのYZR500を彷彿とさせます。

ゴロワーズ・ヤマハは、青いYZR500を駆るフランス人ライダーのクリスチャン・サロン選手が大活躍したWGPチーム。

当時日本でも多くのファンがいたことで、レーサーレプリカモデル「TZR250」などに、同様のカラーを施した限定仕様車も登場。ファンから「ゴロワーズカラー」と呼ばれ、大ヒットを記録しました。

ヤマハ新型XSR900ABSが価格121万円で国内販売
XSR900ABS、ブルーメタリックCの左サイドビュー

新型XSR900のブルーは、まさにそのゴロワーズカラーをオマージュした仕様。特に、燃料タンクなどに入ったイエローのラインと水色のアクセントは、まさに当時のモデルを想起させる色調で、昔からのファンには大注目といえるでしょう。

ほかにも、レトロさを強調する丸型LEDヘッドライトは、照射方向左右の広がりや明るさ、さらにバンク時の配光特性にも配慮した新型を採用。

ヤマハ新型XSR900ABSが価格121万円で国内販売
XSR900ABS、ブラックメタリックXの左サイドビュー

回転数に応じて色が変化するデジタルバータコメーターなどを装備する3.5インチのフルカラーTFTメーターなども搭載し、安全性や実用性の向上などに貢献しています。

欧州など海外では2022年2月からすでに先行発売されており、国内ではようやく登場が決まった新型XSR900。早く実車を見たり、乗ってみたいものですね。

(文:平塚 直樹)