■エンジン性能はキープ。カラーリングやグラフィックを一新

独自のLMWテクノロジーを採用した前2輪・後1輪のミドルサイズコミューター、ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)の「トリシティ300 ABS(以下、トリシティ300)」がマイナーチェンジしました。

トリシティ300 ABS(マットベージュ)
トリシティ300 ABS(マットベージュ)

最新の平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させるなどのアップデートを受けた2024年モデルが登場し、2023年12月15日に発売されます。

●独自のLMWテクノロジーを採用

トリシティ300は、2020年に発売を開始した3輪タイプの300ccコミューターです。大きな特徴は、前2輪にヤマハが「LMWテクノロジー」と呼ぶ独自の技術を採用していることです。

LMWとは、「Leaning Multi Wheel(リーニング・マルチ・ホイール)」の略で、車輪および車体全体がリーン(傾斜して)旋回する3輪以上のモビリティを意味します。

つまり、安定性が高い3輪モデルながらコーナーなどで2輪モデルのように車体を傾けられるため、バイクが持つスポーティな乗り味も楽しめる機構ということですね。

トリシティ300 ABS(グレーイッシュブルー)
トリシティ300 ABS(グレーイッシュブルー)

ヤマハでは、292cc・単気筒エンジンを搭載するトリシティ300のほかにも、125ccの「トリシティ125」、155ccの「トリシティ155」といった3輪コミューターのシリーズを展開。

加えて、845cc・3気筒エンジンを搭載するスポーツスクーターの「ナイケンGT」にもLMWを採用し、豊富なラインアップを誇ります。

トリシティ300では、ナイケンGTでも実績がある前2輪のステアリング機構「LMWアッカーマン・ジオメトリ」を投入したLMWテクノロジーを採用していることがポイントです。

フロントまわりに、左右それぞれの車輪に独立した「片持ちテレスコピックサスペンション」、それに、これらを支持して車体本体と連結する「パラレログラムリンク」で構成されるのがこの機構。

パラレログラムリンクがコーナリング時にフロント2輪と車体を同調させ、リーンさせる役割を発揮。2輪の接地幅の変化も少なく、バイクで馴染みのある自然な操作感と乗りやすさを味わえることが魅力です。

また、フロントホイール内側に片側2本ずつのフォークを持つ片持ちテレスコピックサスペンションは、軽快な走りに貢献。左右それぞれに設けられたタンデムフォークが、自然なハンドリング特性と優れたクッション性も実現しています。

トリシティ300 ABSのフロントまわり(写真は2020年モデル)
トリシティ300 ABSのフロントまわり(写真は2020年モデル)

ちなみに、こうした機構は、トリシティ125やトリシティ155でも採用。シリーズを通し、より安心・安全で楽しい乗り味が楽しめるようになっています。

ほかにもトリシティ300には、停車時や押し歩き時に車体の傾きを制限し、自立をサポートする「スタンディングアシスト」を装備。

約45Lの大容量を確保するシート下トランクや、バッグやポケットからキーを取り出さなくてもエンジンの始動・停止などメインスイッチの操作が可能なスマートキーシステムなども採用することで、高い利便性も誇ります。

●最高出力など維持しつつ環境性能を向上

トリシティ300の2024年モデルでは、平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させた新しい「BLUE CORE(ブルーコア)」エンジンを搭載。

トリシティ300 ABS(マットグレー)
トリシティ300 ABS(マットグレー)

BLUE COREとは、走りの楽しさと燃費・環境性能の両立を高次元で具現化するヤマハ独自のエンジン設計思想。高効率燃焼、高い冷却性、ロス低減の3点にフォーカスして性能実現を図っていることが特徴です。

新エンジンでは、最高出力21kW(29PS)・最大トルク29Nm(3.0kgf-m)といったエンジン性能を維持しながら、環境性能を向上。WMTCモード値32.2km/Lという高い燃費性能も持つことで、通勤・通学や買い物などの普段使いから郊外へのツーリングまで、幅広いシーンで快適かつ軽快な走りを楽しめるモデルとなっています。

カラーリングやグラフィックも刷新されています。バリエーションには、街並みに映える「グレーイッシュブルー」、キャンプなどのアウトドアシーンにもマッチする「マットベージュ」、デイリーユースから週末のツーリングまで対応する「マットグレー」の3タイプを設定。

価格(税込)は104万5000円で、2023年12月15日に発売される予定です。

(文:平塚直樹)