英国の金融規制当局である金融行動監視機構は26日、世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスが必要な許可を取らずに英国で活動しているとして、同社に警告した。バイナンスは日本の金融庁からも登録なしで活動しているとして、25日に警告を受けている。

FCAは発表の中で「バイナンス・マーケット・リミテッド(BML)は、英国で規制下の活動を行うことは許可されていない」と述べた。さらに警告の中で、バイナンスを使った投資活動についても注意を呼びかけている。

「仮想通貨への投資を宣伝・販売している企業の多くは、FCAの認可を受けていない。つまり、ある仮想通貨に投資した場合に、損失を受けたとしても、金融オンブズマン・サービスや金融サービス補償制度を利用できないということだ」

FCAは、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)などの仮想通貨自体を規制していないが、2021年1月には、先物契約やオプションを含むデリバティブ取引を禁止している。また、有価証券とみなされるデジタル資産もFCAの管轄下にある。

バイナンスは、日曜日にFCAへの回答の中で、BMLについて「独立した法人であり、Binance.comのウェブサイトを通じていかなる商品やサービスも提供していない」とツイートした。2020年5月に英国でのビジネスのためにBMLを取得したが、現在はまだローンチしていないという。

「FCAの通知は、http://Binance.comで提供されるサービスに直接影響を与えるものではありません」

バイナンスは26日、1,500万人の人口を抱えるカナダのオンタリオ州での事業を停止すると発表している。ユーザーは、年末までにすべてのアクティブポジションを決済しなければならないとした。

撤退の理由は明示しなかったが、オンタリオ証券委員会(OSC)による取り締まりが、影響していると考えられる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン