ロシア語の独立系ニュース企業は、ロシア政府のプロパガンダと検閲の中で独立系メディアとしての活動を続けるため、支援者から25万ドル以上の仮想通貨の寄付を集めた。

ラトビアを拠点とするロシア語ニュースサイト「Meduza」は2021年4月以来、米ドルやユーロのほか、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、テザー(USDT)、モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)といった仮想通貨で寄付を集めている。

彼らが寄付を募集して以来、Meduzaは14万6000件の個別の寄付を集め、その総額は25万ドルに達した。寄付の約93%はビットコインとイーサリアムの形で提供された。

Meduzaの資金問題は2021年4月から始まった。Meduzaなどの独立系メディアがロシア法務省から「外国からのエージェント」とラベリングされ、ロシア語の記事に大きなフォントで警告が表示されるようになった。同じような広告がすべての広告に表示する必要があり、これによりほぼすべての広告主が失われた。Meduzaは寄付に関するFAQでその事態を次のように説明している。

「ご想像の通り、広告コンテンツに『外国のエージェントによって作成されています』という警告が付いた上でお金を払って自社製品を宣伝しようという企業はほとんどいない」

Meduzaはその後、決済処理業者のStripeや仮想通貨を通じた寄付の方法を設定した。

しかし3月に入るとロシア政府はより検閲を強化した。ロシア当局は「法律に違反して情報を広めた」としてウェブサイトをブロックした。ロシアの支持者からの寄付を受け取るための手段も、ロシア制裁に伴うSWIFTネットワークへの制限の影響も受けるようになった。

2月25日以来、Meduzaはロシアによるウクライナ侵攻ン関する情報を連日アップデートし、ロシアの現地メディアが報じないウクライナでのニュースや物語を共有してきた。

「現在ロシアの何百万人もの人々が私たちのニュースに頼っている」と、Meduzaは書いている。

「この戦争が始まって以来、ロシアからヨーロッパへの送金は不可能だった。これにより3万人の寄付者が失われた。現時点ではロシアからはまったくお金を受け取っていない」という。

Meduzaの編集長であるイヴァン・コルパコフ氏は、ロシアからラトビアに逃れたジャーナリストを支援するために使われるとブルームバーグに語っている。