弱気相場はトレーダーにとって舵取りが難しいものだ。良いエントリーポイントを決定する従来の「信頼できる」指標では、「仮想通貨の冬」がどのくらい続くかを予測することは困難だ。

ビットコイン(BTC)が最近、心理的に重要な価格水準である2万ドルを超えて回復したことは、多くのトレーダーにとって底打ちのサインとなった。だがデータを深く掘り下げると、短期のリリーフ・ラリーはマクロレベルのトレンド変化を証明するには不十分である可能性がある。

仮想通貨調査会社デルファイ・デジタルによる最近のレポートでは、「市場の底打ちを確信する前に、もう少し痛みを見る必要がある」と言い、警戒の必要性を示す証拠を並べている。

ビットコイン価格が昨年11月に最高値に達して以来、既に痛みを伴っているはずだが、昨年11月以来の下落と2017年時点の最高値からの下落を比較すると、短期的にはさらに下落する可能性が指摘されている。

過去の弱気相場では、BTCの価格は最高値から最終的な底値までおよそ85%下落した。デルファイ・デジタルによると、現在の相場で過去の歴史が繰り返されるならば、「現在からさらに50%の下落となり、1万ドルをわずかに超える水準」になるという。

イーサリアム(ETH)の先行きについては、さらに悲惨なものになる恐れがある。ETHは、前回の弱気相場でピークから底値まで95%も価格が下落した。今回も同じシナリオとなるならば、イーサの価格は300ドルまで下落することになる。

デルファイ・デジタルは次のようにコメントしている。

「特にBTCが1万4000〜1万6000ドルの範囲でサポートを維持できなかった場合、同様の暴落が起きるリスクは、おそらくほとんどの人が割り引いているよりも高いだろう」

売られすぎの状態に
現在の相場で底値がどこかを探しているトレーダーにとって、「過去の主な相場の底値は極端な売られすぎの状態と一致する」というデータがある。

下の週足チャートにあるように、BTCの14週間RSI(相対力指数)は最近、史上3回目の30割れとなった。過去2回は相場の底値付近で発生している。

これを「今が再参入の好機」と受け取る人もいるかもしれないが、デルファイ・デジタルは「V字回復」を期待する人への注意として、「過去の2回の例では、BTCは数ヶ月間不安定な横ばいレンジで取引され、最終的に強い回復につながった」と指摘している。

またビットコインは最近、2020年3月以来初めて200週間単純移動平均線(SMA)を割り込んだ。歴史的に見ると、BTC価格はこれまでの弱気相場で数週間しかこのレベルを下回って取引されておらず、間もなく底値が見つかる可能性を示唆している。

「最後の降伏」はいつ?
今、市場が本当に求めているのは、弱気相場の終わりと次のサイクルの始まりを示す「最後の降伏」だ。

市場心理は2020年3月の新型コロナウィルスのパンデミックによる暴落以来の低い水準になったが、2018年に見られたような絶望のどん底には至っていない。

「市場心理が本当に底を打つ前に、もう少し痛みを見る必要があるかもしれない」とデルファイ・デジタルは付け加えている。

仮想通貨市場の弱さは2021年末から表面化していたが、市場崩壊の真の原動力は、暴走するインフレと金利の上昇だ。

金利の上昇は市場の調整を招く傾向がある。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続する方針であることから、ビットコインをはじめとするリスクオフ資産はさらに調整される可能性が高いと考えられる。

「最後の降伏」イベントが起こったかを示唆する一つの指標は、利益が出ているBTC供給量の割合だ。この指標は、過去の弱気相場では40%という最低値を記録している。

グラスノードのデータによると、この指標は現在54.9%であり、市場は本当の底入れ前にまだもう一段階下がる可能性があるという見方に信憑性を持たせている。