仮想通貨の「冬の時代」がまたやってきたようだ。

ステーブルコインと仮想通貨貸出プラットフォームの崩壊に端を発した今回の冬の時代。ビットコインは最高値から70%下落した。仮想通貨市場全体の時価総額は、昨年11月以降で3分の2以上も減った。一部のコメンテーターは、金利の上昇とリスク資産投資からの撤退によって、次世代のインターネット革命であるWeb3に遅れが生じるのではないかと心配している。

しかし、冬の時代によってWeb3への流れが止まることはないだろう。ドットコムバブルによってWeb2の発展が止まったわけではなかった。Ledgerのパスカル・ゴティエCEOは、「デジタル革命は短距離走ではなく、長いマラソンである」と考えている。

Web3の精神は健在
困難な時においても、ビットコインとブロックチェーン技術は革命の手段としての精神を持ち続けている。

なぜビットコインは革命的なのか?

ビットコインは、どこかの中央組織が発行枚数を恣意的に決めることは不可能で、人々が本当の意味において保有できる変更不可能なデータだ。これらの事実が意味するのは、インターネットの管理者が中央集権的な組織ではなくなり、ユーザー自身になるということだ。ビットコインから始まった本質的なパラダイムシフトは、冬の時代であろうと変わることはない。

仮想通貨相場の急落にもかかわらず、ベンチャーキャピタルは引き続きWeb3のスタートアップを支援している。Ledgerは、最近、レジャー・キャセイ・キャピタル(Ledger Cathay Capital)という1億ユーロのファンドを設立した。フランスのスタートアップであるKaikoは弱気相場であるにもかかわらず5300万ドルの資金調達をして、「仮想通貨版のブルームバーグ」という地位を強化した。例は枚挙にいとまがない。

冬の時代であるからこそ、未来を変える破壊的なアイデアが生まれるかもしれない。イーサリアム、DeFiそしてNFTは全て以前の冬の時代に生まれた。最近、イーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリンと経済学者のグレン・ワイルが、「ソウルバウンドトークン(SBT)」という新しくて面白いコンセプトを提唱した。SBTは、譲渡不可能なNFTで、一度受信したら、デジタルウォレットの外に移すことができないという特徴を持つ。彼らは、SBTが分散型社会の基盤になると考えている。
 
インターネットを変えるためにはいくつかの課題がある。DeFiは、サイロ化して中央集権的な金融システムへの代替として期待されているが、ユーザーにとっての使いやすさとインセンティブの面で課題がある。NFTは、クリエイティブのあり方を根本から変えたが、フィナンシャルタイムズが書いたように「米ドルの単位ではなくユーザーを数えた場合、NFT市場がまだ小さいことが分かる」。

Web3はインターネットの歴史を変える上で確かな可能性を秘めている。しかし、新たに数十億人規模に到達するためには、確かなユースケースと規制当局からのはっきりとしたシグナルが必要になるだろう。

 冬の時代がいつ終わるのかは分からない。資金力の弱いプロジェクトは破産するだろう。弱気相場において、次のユーザー獲得のための土台を作らなければならない。