50万人の顧客を持つドイツの仮想通貨銀行Nuriは8月9日に破産を申請し、その理由として主要な仮想通貨の暴落、セルシウスなどの仮想通貨ファンドの破産を挙げている。

Nuriは、この動きはすべての顧客にとって「最も安全な道を確保する」と述べたが、破産申請はサービス、顧客の資金、顧客がプラットフォームから資産を引き出すことに影響を与えないことも強調した。

一部の顧客から、Nuriのモバイルアプリで資産を引き出すことが困難であるとの報告があったが、Nuriはツイッターで、これはトラフィックと使用率が高い結果であるとし、改めて「資金は安全である」としている。

注目すべきは、ソラリスバンクAGとの提携により、Nuri自体は実際に顧客の法定通貨と仮想通貨を扱っていないことだ。ソラリスのウェブサイトによると、Nuriはソラリスとその仮想通貨子会社ソラリス・デジタル・アセットと提携して、バンキング業務と仮想通貨カストディをアウトソーシングしている。

これにより、Nuriはソラリスのバンキングと暗号資産インフラ/ライセンシングを活用し、業務とサービスを拡大することができた。ソラリスが流動性の問題に直面していないため、同じ問題に遭遇した他の企業とは異なり、Nuriは基本的に同社が再建される間、サービスを継続することができる。

Nuriは、世界的なパンデミックやロシアのウクライナ侵攻など「マクロ経済の大きな逆風と公的・民間資本市場の冷え込み」によって、「持続的な負担」がかかっていると述べている。

「さらに、仮想通貨の大幅な下落、Luna/Terraプロトコルの崩壊、セルシウスや他の主要な仮想通貨ファンドの債務超過など、仮想通貨市場で起こったさまざまなネガティブな動きが、仮想通貨の弱気市場につながった」とNuriは書いている

ベルリンに拠点を置くNuriは、以前はBitwalaという名前で2015年に設立され、仮想通貨貯蓄口座、「Nuri Pots」と呼ばれるポートフォリオ投資バスケット、1%の取引手数料を課す仮想通貨取引サービスを提供している。